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授業科目の概要

科目名称 化学情報学 
科目ナンバリング・コード KED-ASC2971J 
担当教員

森 義治

更新日付 2025/04/22 15:15
授業科目区分 高年次基幹教育科目 
学部カテゴリ 基幹教育科目 
使用言語 日本語(J) 
対象学部等  
対象学年 2年生以上 
必修選択  
単位数
開講年度 2025 
開講学期 前期集中 
曜日時限 前期集中 その他 その他
教室  
開講地区 伊都地区
授業科目に関する特筆事項
・2025年9月1日(月)から3日(水)の3日間に実施する。
・学んだ内容のハンズオンを実施するため、各自ノートPCを持参して受講すること。
・プログラミング言語のPythonを知っていると理解しやすいが、必須ではない。別途自習用の資料を配布する予定。 



授業科目の目的・目標・履修条件について

授業科目の目的(日本語)
近年飛躍的に発展してきた機械学習やAIとよばれる情報学の分野は関連する自然科学分野においても大きな影響を及ぼしてきている。本講義では、化学の分野における統計解析やシミュレーション、予測・生成モデル等の手法の基礎を習得し、分子の性質の予測や分子構造の生成を実現する方法を理解することを目的とする。このような目的を達成するために、必要となる物理や化学、統計解析法およびコンピュータの知識を習得した後、プログラミングによる数値解析・可視化等を実践する。 
授業科目の目的(英語)
Machine learning and AI, which have developed rapidly in recent years, have also had a significant impact on related natural scientific fields. This course aims to introduce statistical analysis, simulation, and predictive/generative modeling techniques in the field of chemistry, which will help to understand molecular properties and molecular structures. To achieve this goal, students will first acquire knowledge in physics, chemistry, statistical analysis methods, and computer science, followed by practical experience in numerical analysis and visualization through programming. 
学位プログラムの学修目標 授業科目の到達目標(評価の観点)
   
   

※学修目標と授業科目の結びつきの強さ

カリキュラム・マップ  
ルーブリック

授業科目の実施方法について

授業の方法
講義
演習
教授・学習法
一方向性の知識伝達型の教授・学習法
遠隔授業
対面授業の形で実施する
Moodleコース情報
コース設定あり
Moodleトップ画面(https://moodle.s.kyushu-u.ac.jp/course/index.php)
使用する教材
スライド資料
教材の配布方法
Moodle/B QUBE
テキスト
授業計画 授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。
1単位あたりの学修時間(45時間)の内訳(目安)
(講義・演習の場合)授業内学修15時間、事前・事後学修30時間
(実験、実習および実技の場合)授業内学修30~45時間、事前・事後学修0~15時間
授業のテーマ 授業の内容(90分授業=2時間) 事前/事後学修の内容
1 化学情報学の概観  ・化学と情報学、機械学習、AI
・化学と材料科学、生物学との関連

急速に発展してきている一般にはAIと一括りで呼ばれることが多い技術は、もちろん化学分野においても影響を及ぼしている。イントロダクションとして化学と情報学の接点を見ていこう。 
スライドの内容を参照し、予習・復習を行う。 
2 化学情報学の実用例:AlphaFoldを例に  ・化学情報学の創薬分野への応用
・ビッグデータ、機械学習、大規模計算

化学や生命系分野の研究者の間で最近話題になったものとして2024年ノーベル化学賞の対象となったAlphaFoldがある。これはタンパク質構造を予測するAIだが、ここでは化学情報学の入口としてその背景を理解し、化学×AIの感覚を身につける。 
スライドの内容を参照し、予習・復習を行う。また実施したハンズオンがある場合はその作業の見直しをすること。 
3 分子構造と分子運動  ・量子力学による化学結合と分子構造の理解
・運動方程式による分子運動の理解

化学現象には分子が主要な役割を果たしているため、背後にある物理法則を知っておくほうがよい。「物理は難しい」と思われるかもしれないが、コンピュータと情報学は物理学の難しい部分を肩代わりしてくれることも学んでいく。 
スライドの内容を参照し、予習・復習を行う。 
4 化学におけるコンピュータシミュレーション  ・量子化学計算、第一原理計算
・分子動力学シミュレーション

水分子のような典型的な分子でさえ物理の方程式を厳密に解くことはできない。そこで利用される手段のひとつがコンピュータによるシミュレーションである。ここではそのような計算を学び、体験してみることにする。 
スライドの内容を参照し、予習・復習を行う。また実施したハンズオンがある場合はその作業の見直しをすること。 
5 化学データにおける特徴量  ・高分子材料の物性や医薬品分子の活性
・分子構造のコンピュータにおける取り扱い

機械学習やAIは一般的な方法であるため化学にそのまま応用できるはずである。しかし、例えば化学式(単なる文字列)が与えられたとき、どのように機械学習に使えばよいのだろうか。 
スライドの内容を参照し、予習・復習を行う。 
6 化学データの統計解析  ・数値データの平均、分散等の計算および可視化
・データのクラスタリング、次元圧縮

沸点などの化学データが与えられたときに平均値やそのゆらぎを知ることは重要である。一方で大量のデータがある場合には可視化やデータのまとまり(クラスター)を認識することが役に立つため、ここではこれらを実践する。 
スライドの内容を参照し、予習・復習を行う。また実施したハンズオンがある場合はその作業の見直しをすること。 
7 分子物性・活性の予測、分子構造の生成  ・統計解析や機械学習における予測
・生成モデルを利用した分子構造の生成

新規分子からなる物質があった場合、どのような性質を持つのかを予測することができれば実用上望ましい。さらに、そのような「新規分子」を提案してくれるような方法はないだろうか。 
スライドの内容を参照し、予習・復習を行う。また実施したハンズオンがある場合はその作業の見直しをすること。 
8 分子シミュレーションと機械学習の融合  ・シミュレーションによる化学データの生成
・実験データと計算データを統合した機械学習モデルの構築

コンピュータによって物理法則のシミュレーションができるならAIは必要ないのだろうか。これらは相反するものではなく、お互いを有効活用することにより、さらに豊富な化学データを得ることが可能となる。 
スライドの内容を参照し、予習・復習を行う。また実施したハンズオンがある場合はその作業の見直しをすること。 
9 最近の化学情報学における話題  ・創薬に向けた生成モデルの活用
・量子コンピュータと化学情報学

化学情報学の具体的な応用先として創薬があり、活発に議論されるようになってきた。また、全く異なる流れとして量子コンピュータと呼ばれる技術の化学応用もすでに始まっている。 
スライドの内容を参照し、予習・復習を行う。 

授業科目の成績評価の方法について

小テスト
講義中で扱った課題を提出すること。 

授業科目に関する学習相談について

合理的配慮について
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行った上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)
修学上の合理的配慮の流れに関する部局HP https://www.artsci.kyushu-u.ac.jp/campus_life/support.html 


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