シラバス参照

講義科目名 科学技術イノベーション政策分析 
科目ナンバリングコード KED-SSD5332J 
講義題目
科学技術イノベーション政策分析 
授業科目区分 展開科目 
開講年度 2024 
開講学期 前期 
曜日時限 前期 水曜日 6時限
必修選択 選択 Elective 
単位数
担当教員

ソン・ジュンウ

開講学部・学府 大学院基幹教育科目 
対象学部等 全学府 All Graduate School 
対象学年 大学院生 Graduate Students 
開講地区 伊都地区
その他
(自由記述欄)
 第1回目はガイダンスのほかに授業の進め方や課題について説明を行う。履修を検討している者は必ず出席すること。

 講義形態はZoomを使用した遠隔講義と教室での対面講義のハイブリッド形式とし、Zoomのアクセス用URLはMoodleでご案内しますので、履修希望者はMoodleに登録すること。対面講義の教室は、伊都キャンパス・センターゾーンの共進化社会システムイノベーション施設3階の332セミナー室を使用する。 



履修条件
特に無し 
授業概要
 本講義では、科学技術イノベーション政策の立案、決定、実行、評価を支援するための定量的データを収集・分析する手法を習得し、その収集と分析の過程を批判的に評価できるリテラシーを養うことを目的とする。このため、質問票調査、二次分析、そして費用便益分析などの具体的手法の学習に加え、量的分析の基本的な考え方を構成する統計学の基礎知識を身に着けること、人間と社会集団の行動や意識を測る調査過程から生じる方法論的問題に対する理解を深めること、科学技術イノベーション政策という領域における定量的エビデンスの拡散をめぐる批判的議論を学習することの3点を目指す。

 科学技術イノベーション政策を含め、様々な政策に用いられる定量的データは人々の経済社会的行動や意識を対象とするものが多く、その収集のために国勢調査から意識調査に至るまでの広範囲な調査活動が行われている。各種サーベイとアンケートが日常的に氾濫している中、質問票の作成、配布、回収、集計を行うだけの簡単な作業として統計調査を捉えがちになる傾向も生まれているが、良質の信頼できるデータの条件を定める量的分析の考え方を理解せずに行った調査は、有意味な分析に繋がらないご都合主義的なもので終わってしまう。更に、そのような量的分析の考え方を実験室のように統制された環境の中の人工物ではなく、社会的・象徴的相互作用の中にいる人間を対象とした調査に適用する際に生じる混乱に対処できる知識も必要となる上に、科学技術イノベーションと政策分析という領域の複雑性・不確実性に基づく問題への理解も必要である。

 そのような必要性に配慮し、まず講義の第1部では如何なる定量的データを選び、分析に用いるにしても、正しい選択と活用の基礎となる統計学の基礎知識と概念群を、それらを社会調査に適用する際に検討すべき問題に焦点を当てながら学ぶ(第2-4回目)。更に、イノベーションの測定や政策の量的分析に伴う不確実性と複雑性をめぐる批判的論点についても紹介する(第5-6, 8, 15回目)。

 第2部では、講義の前半で学んだ知識と議論を念頭に置きながら、科学技術イノベーション政策分析のためのデータ収集の具体的方法と実務について学習する。主に、オリジナルデータを収集するための質問票調査(第7, 9回目)と、既存の公的統計を用いる二次分析(第10-12回目)を行う能力を身に着ける。その上で、政策分析に長く用いられてきた定量的手法(第13回目)、または新しく活用され始めた定量的手法(第14回目)の代表的な例を紹介し、受講者が自分の興味を持つ分析手法を発見して更なる学習に繋げるようにする。

 第1回目はガイダンスのほかに授業の進め方や課題について説明を行う。履修を検討している者は必ず出席すること。 
This lecture studies methods for collecting and analyzing quantitative data to support science, technology and innovation (STI) policymaking, aiming to develop the literacy to critically evaluate the data collection and analysis process. To this end, in addition to learning specific methods of data collection and analysis (e.g., questionnaire surveys, secondary analysis, cost-benefit analysis), the lecture provides students with basic knowledge of statistics, which is indispensable for understanding the logics and principles based on which practices of quantitative data analysis are organized and evaluated. The lecture also seeks to deepen students' understanding of methodological difficulties in surveying social groups and measuring human behavior, and to enable them to critically evaluate the process of collecting and analyzing quantitative evidence in the field of STI policymaking. 
授業形態
(項目)
■ 講義・演習
□ 実験
□ グループワーク・ペアワーク
□ 学内外実習
□ プレゼンテーション
□ ディスカッション
□ PBL/TBL 
授業形態
(内容)
 基本的に講義形式で行うが、統計学の基礎知識を学ぶ三回の授業では、統計ソフトを使った基礎的な統計分析をステップバイステップで学ぶための演習用資料と課題を提示する(第2-4回目)。演習は記述統計表の作成(第2回目)、統計検定(第3回目)、 回帰分析(第4回目)をR(R Studio)で演習資料の説明に沿って再現できることを目標とする。各授業が終わった後、受講者は課題として演習を行い、演習結果を提出することが求められる。演習に関する質疑応答は次回の授業で行う。

 また、受講者には、講義の各段階に応じてレポートの提出が求められる。各レポートに関する詳細については第1回目のガイダンスにて説明を行う。統計学の基礎に関する回のみではなく、質問紙調査と公的統計に関する回でもPCを使うことがあるため、PCは毎回持参すること。 
使用する教材等
板書、テキスト(紙媒体)、スライド資料(電子媒体) 
全体の教育目標
 世の中には数多くのデータが存在するものの、自らが取り組む課題に関連するデータが存在するとは限らない。このような状況においても量的分析の基本的考え方に基づいて既存のデータと調査活動を評価し、新しいデータ収集と分析の計画を社会調査の特性を考慮しながら立てることができる能力を身に着けた人材の育成を目標とする。 単にデータの収集と分析を行う能力のみならず、既存データを正しく読み取り、「良いデータとは何か」について批判的に検討できる能力を習得することを学習目標として掲げている。 
個別の教育目標
 具体的な学習内容として、質問票調査の設計から科学技術イノベーション政策関連の国内外の統計データベースの二次分析まで、政策分析のためのデータを取得する具体的手法に関して学習し、学習した手法を正しく用いるための統計学の基礎知識を得る。分析手法を用いる際に、分析手法の新しさに惹かれるよりも統計学の基礎に基づき判断できる考え方を養う一方で、自分の興味を引く手法を発見して更なる学習に自発的に取り組むことができる機会を同時に与える。 
授業計画
招聘講師との日程調整の結果に応じて授業の順番を変更する場合がある。

第1回(4/10) ガイダンス (ソン)
第2回(4/17) 量的分析の考え方(1) 社会調査における測定、尺度、信頼性と妥当性 (ソン)
第3回(4/24) 量的分析の考え方(2) 社会調査における標本、母数推定、有意性検定 (ソン)
第4回(5/1) 量的分析の考え方(3) 社会調査における実験、回帰、予測 (ソン)
第5回(5/22) 量的分析の複雑性(1) 指標は、イノベーションを測れるか (ソン)
第6回(5/29) 量的分析の複雑性(2) 実験は、政策分析のモデルになり得るか (招聘講師)
第7回(6/5) 質問票調査の方法と実務(1) (招聘講師)
第8回(6/12) 量的分析の複雑性(3) 予測は、政策を不確実性から救えるか (招聘講師)
第9回(6/19) 質問票調査の方法と実務(2) (招聘講師)
第10回(6/26) 公的統計と二次分析 (ソン)
第11回(7/3) STI政策分析のためのデータ(1) (招聘講師)
第12回(7/10) STI政策分析のためのデータ(2) (招聘講師)
第13回(7/17) 政策分析の手法(1) 費用便益分析 (招聘講師)
第14回(7/24) 政策分析の手法(2) テキストマイニングとトピックモデル (招聘講師)
第15回(7/31) 日本におけるEBPMの展開と課題 (招聘講師) 
キーワード
政策分析、公的統計、二次分析、質問票調査、統計学 
授業の進め方
上記「授業形態」(内容)に同じ。 
テキスト
特に指定しない。統計ソフト(フリーウェア)については第1回目のガイダンスにて案内する。 
参考書
必要な資料・文献をその都度紹介・配布する。 
学習相談
 メールと面談にて行う。メールによる質問は随時受け付けるが、返信には最低1日の期間を頂く場合がある。面談はメール等にてアポイントを取ること。 
試験/成績評価の方法等
 授業態度(20%)、統計演習(10%×3=30%)、レポート(25%×2=50%)を目安に、担当教員が総合的に判断する。 4回以上の欠席は不可とする。 
その他
対面講義の教室は、伊都キャンパス・センターゾーンの共進化社会システムイノベーション施設3階の332セミナー室を使用する。 
添付ファイル
更新日付 2024-03-29 17:17:03.811


PAGE TOP