シラバス参照

講義科目名 大学の授業をデザインする 
科目ナンバリングコード KED-COS5413W 
講義題目
授業科目区分 基幹科目 Core Subjects 
開講年度 2023 
開講学期 春学期 
曜日時限 春学期 火曜日 4時限
春学期 火曜日 5時限
必修選択 選択 Elective 
単位数
担当教員

長沼 祥太郎

開講学部・学府 大学院基幹教育科目 
対象学部等 全学府 All Graduate School 
対象学年 大学院生 Graduate Students 
開講地区 伊都地区
その他
(自由記述欄)
受講希望の方は、各自で履修登録をし、初回授業4/18(火)に教室にきてください。
【重要】初回までに履修登録をすることを忘れたけれど、2回目からこの授業に参加したい!という場合は、教員まで連絡をください。
また、Moodleに登録もお願いします。
以下で検索してください。
2023年度春学期・火4火5・大学の授業をデザインする(長沼 祥太郎)

(履修者が定員を超えた場合には、一部の方に履修取りやめをお願いする可能性があります)
初回にどうしてもこれない場合は、初回授業前までに担当教員まで連絡をしてください。また、初回は自己紹介などもするので対面が望ましいですが、どうしても初日にオンライン参加にさせてほしい学生(例:伊都キャンパス以外の学生で通学が難しい)は、個別に連絡をください。
長沼祥太郎 naganuma.shotaro.062★m.kyushu-uac.jp (★はアットマークに)
なお、本講義の紹介ビデオ(https://youtu.be/LLOrK09OlaI)も見ていただくとよりイメージがつかめると思います。

言語:日本語
時間:火曜4-5限(5/30のみ3-5限です!)
教室:伊都センターゾーン 2号館2階2203
本科目では、受講生である大学院生が授業に割ける時間等を考慮し、一部の授業をオンデマンド授業として実施します。そのため、これらの回は受講生は教室に来る必要はなく、各自好きな時間に受講することができます。
*受講生が5名以下の場合には、不開講となる場合があります。 



履修条件
将来大学教員を志す大学院生を主な対象とした科目です。また、TFとして活動する上での必須科目となっています。
履修要件は特にありませんが、課題が多いのでそれに取り組む時間を自分で確保できる学生を求めます。
なお、科目の性質上、授業内でマイクロティーチングという、小規模な授業実践を取り入れています。そのため、履修希望者の上限を15程度とし、それを超える履修希望者数がいた場合には、希望者の事情を考慮した上で選考を行います。選考で落ちた受講者は、次回開講時に優先的に受講者として登録を行う予定です。

This course is intended for graduate students who wish to become university faculty or work as TFs in the future. There are no special pre-requirements, but there are many assignments, so students should be able to secure their own time.
In addition, to implement short-time mock lesson called micro-teaching, the maximum number of applicants is set to 15. So when there are more applicants than that number, considering the situation of the applicants, those who can attend the class will be selected. You will be on the priority list in the next time if you are not selected. 
授業概要
 大学教員は、研究者としてだけでなく、教育者としての重要な役割を担っています。一方で、研究者としての技術は研究室で指導教員から学べますが、大学に就職した後で、どのように教育を実践するかに関しては学習できる機会が少ないのが現状です。そこで、本授業では大学の授業をデザインするための具体的な方法について学びます。
 大学の授業をデザインする際には、「授業設計」「授業実践」「授業評価」の大きく3つの段階があります。本授業では、「授業設計」として目標の設定とシラバスの作成方法、「授業実践」として教室での具体的な教え方、「授業評価」として学生の学習成果を評価する方法について、それぞれの受講生が将来的に担当する授業を想定して実践的に学びます。
 そのため、将来的に大学教員を目指す受講生には、是非ともこれらの方法論を身につけてもらいたいと思います。 
University faculty members play important roles not only as researchers but also as educators. On the other hand, unlike research skill, graduate students have few opportunities to learn instructional skills required for job at a university. Hence, in this course, the basic theory and method for designing university courses will be introduced.
   When designing university courses, it is important to consider the following three stages: "course design," "course delivery," "course assessment." In this course, participants will acquire the knowledge and skills necessary to develop course syllabus; to deliver materials in the class; to assess student learning outcomes.
   Therefore, I would like students who aim to be future university faculty members to learn these practical knowledge and skills. 
授業形態
(項目)
□ 講義・演習
□ グループワーク・ペアワーク
□ プレゼンテーション
□ ディスカッション 
授業形態
(内容)
講義・演習:
大学教育を取り巻く状況、授業の基本構造、効果的な授業の持つ特徴、逆向き設計という授業デザインの方法について講義をします。また、目標・評価とシラバス、学習の科学、多様な授業方法、セッションデザイン等についても説明をします。

グループワーク・ペアワーク:
各自が作成した目標・評価とシラバスについて、他の受講生から意見をもらいます。

プレゼンテーション:
マイクロティーチングを行います。15分程度で、他の受講生を対象に、短時間で授業を行う実践です。

ディスカッション:
模擬授業に関して、より良い授業にするために他の学生からコメントをもらういます。
また、教員からもフィードバックを行います。 
使用する教材等
板書、テキスト(紙媒体)、スライド資料(電子媒体)、映像・音声資料 
全体の教育目標
大学の授業において、質の高い授業をデザインするために必要な実践的な知識・スキルを身につけます。 
個別の教育目標
この授業を通して、受講生には以下のことを期待します。

1.質の高い「シラバス」を作成できる
2.「わかりやすい」授業を行うことができる
3.質の高い「評価方法」を作成できる
4. 多様性を考慮して授業デザインを見直すことができる 
授業計画
授業は、各週2コマ、クォーター科目として実施します。

DAY 1(対面授業)*通学が難しい場合はオンラインでも可。
1.オリエンテーション
2.授業デザインとは何か

授業外学習:
マイクロティーチングの練習を行う。

DAY 2(対面授業)
3.マイクロティーチング1
4.マイクロティーチング1

授業外学習:
マイクロティーチングの振り返りを行う。

DAY 3(オンデマンド授業)
5.目標・評価(理論編)
6.シラバス(理論編)

授業外学習:
・学習したことを用いて、「目標」「評価」「シラバス」を自分なりに作成する。
・小テストを受ける。

DAY 4(オンラインライブ授業)
7.目標・評価の作成(実践編)
8.シラバスの作成(実践編)

DAY 5(オンデマンド授業)
9.学習の科学
10. 3つの教授法と授業デザインシート

授業外学習:
・学習したことを用いて、授業デザインを自分なりに作成する。
・小テストを受ける。

DAY 6(対面授業)
11.多様な授業方法の体験
12.授業デザインの検討

授業外学習:
DAY2での反省、DAY3-6で学んだ内容、自分の授業動画を見て
自分のマイクロティーチングについて振り返り、DAY7に向けて練習する。

DAY 7(対面授業)
13.マイクロティーチング2
14.マイクロティーチング2
15.合理的配慮体験とまとめ

授業外学習:
・DAY7でのコメントおよび自分の授業動画を見て
自分のティーチングについて振り返り、改善点について考える。
・合理的配慮に関しての動画を視聴する
・DAY7を受けて、自分のデザインした授業を見直し、
改善すべき点を列挙して、レポートにまとめて提出。 
キーワード
九州大学PFFP、授業デザイン、逆向き設計、シラバス、アクティブラーニング、マイクロティーチング、パフォーマンス評価、ルーブリック、合理的配慮 
授業の進め方
【授業内学習】
 授業では、初めに大学教育を取り巻く国内外の状況に関して説明をします。その後は、授業デザインの話および演習へと進んでいきます。
 授業においては、作成した目標・評価、シラバス、マイクロティーチングでの実践について、他の受講生と意見交換をします。プレゼンテーションとディスカッションが多く含まれますが、これ自体がこれからの大学教育において求められるアクティブラーニングの一つの練習にもなります。慣れていない学生も参加できるように、教員がしっかりサポートしながら進めていきますので、安心して受講してください。

【オンデマンド授業】(DAY3とDAY5)
受講生である大学院生が授業に割ける時間等を考慮し、一部の授業をオンデマンド授業として実施します。
受講生は、オンライン上にあげられた教材を各自で視聴してください。

【授業外学習】
 授業デザインを設計することは非常に時間のかかる作業であり、授業時間内だけでできるようなものではありません。専門分野の知識の学び直しなども場合によっては必要になります。そのため、授業外での学習が必要になります。
 ただし、大学教員になる以上、いずれはどこかのタイミングで行わなければならない作業であることと同時に、自分の分野を改めて俯瞰的に見る作業は「知的に楽しい」作業になると思いますので、あまり身構えずに受講し、授業外学習にもしっかりと取り組んでいただければと思います。 
テキスト
授業は、パワーポイントを使って進められます。使うパワーポイントは、データとしてお渡しします。 
参考書
授業で使うパワーポイントの資料は、この科目での説明用に、いくつかの書籍から重要な部分を抜粋したものです。授業担当者が読んでみてのオススメ度などを書いたので、参考にしながら是非とも一度手にとって読んでみてください。

<日本語文献>
【全般的に学びたい時】
『大学教員準備講座』夏目達也・近田政博・中井俊樹・斎藤芳子,玉川大学出版部,2010.
(オススメ度:★★★★★)
→とりあえず一冊は持っておいたら良い。コンパクトに内容がまとまっていて読みやすい。

『大学教員のための授業方法とデザイン』佐藤浩章,玉川大学出版部,2010
(オススメ度:★★★★☆)
→易しく書かれていて、読みやすい。他の書にはない特徴として、「アイスブレイク」の方法が多く書かれているため、授業の雰囲気づくりに悩んでいる場合には参照すると良い。

【シラバスに関して学びたい時】
『授業設計』中島英博,玉川大学出版部,2016
(オススメ度:★★★★☆)
→内容が濃いため、初学者には少し読みにくいかもしれないが、重要なことがしっかり書かれている。授業を一通り経験したあとで読むと良いだろう。

【評価方法について学びたい時】
『よくわかる教育評価』田中耕治編,ミネルヴァ書房,2010
(オススメ度:★★★★☆)
→「VII 学力評価の様々な方法」は、一つ一つの評価方法について詳しく書いてあるため、
評価に困った時に具体的に参照できる。ただし、初等中等教育を主に念頭に書かれている点には注意。

『大学教員のためのルーブリック評価入門』ダネル・スティーブンス+アントニア・レビ著, 佐藤浩章・井上敏憲・俣野秀典訳,玉川大学出版部,2014
(オススメ度:★★★★☆)
→大学教育にとってルーブリックがどれだけ重要に関する筆者の熱い想いが伝わってくる本。ただし、ルーブリックは万能ではないというのが授業担当者の立場なので、読む時にはやや注意が必要。

『パフォーマンス評価』松下佳代,日本標準,2007
(オススメ度:★★★★☆)
→パフォーマンス評価に関してわかりやすく書いてある本。ページ数も少なく、わかりやすく書かれているため読みやすい。ただし、小学生を対象に行われた実践であるため、4つ星の評価とした。

【授業の方法について学びたい時】
『講義法』佐藤浩章編,玉川大学出版部,2017
(オススメ度:★★★★☆)
→講義で学生がしっかりと理解しながら受講してもらうためのノウハウが書かれている。特に、「講義法に役立つ20のモチベーション理論」は、講義法で学生がなかなか関心を持って聞いてくれないと悩んだ時に参照しよう。

『アクティブラーニング』中井俊樹,玉川大学出版部,2015
(オススメ度:★★★★☆)
→アクティブラーニングというと、グループワークやプレゼンテーションが主に想起されるが、実はその方法は様々なものが提案されている。そのため、「第3部 さまざまなアクティブラーニングの方法を活用する」を読めば、多様なバリエーションでアクティブラーニングを実施することが期待できる。

『ディープ・アクティブラーニング』松下佳代・京都大学高等教育研究開発推進センター編,勁草書房,2015
(オススメ度:★★★★★)
→上級者向け。「目の前の学生が目をかがかせて学習しているのに、試験をさせてみると、どうにも思ったほど学習していない」という悩みを持った時に読みたい本。授業担当者の恩師が書いた本であり、大変オススメである。 
学習相談
担当教員に連絡を取り、行ってください。
長沼祥太郎 naganuma.shotaro.062★m.kyushu-u.ac.jp (★はアットマークに)
研究室は伊都キャンパスセンター1号館 2階 1214です。 
試験/成績評価の方法等
試験は行いません。

・小テスト(10%)
・作成したシラバス (25%)
・作成した評価方法(30%)
・マイクロティーチングでのパフォーマンス (25%)
・合理的配慮に関するレポート(10%)
が評価対象です。初回授業で、評価方法についてより詳細な説明があります。
3回までの欠席は認めます。ただし、week7のマイクロティーチングに欠席した場合は、
その部分の成績が0点になるのでご注意ください。 
その他
この授業の紹介動画です。

https://youtu.be/LLOrK09OlaI 
添付ファイル
グラフィックシラバス.pdf 15回分の計画の見取り図です。
更新日付 2023-04-13 15:46:09.462


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