シラバス参照

講義科目名 技術と倫理 
科目ナンバリングコード KED-COS5312J 
講義題目
技術と社会の関係を倫理学から考える 
授業科目区分 基幹科目 Core Subjects 
開講年度 2023 
開講学期 夏学期 
曜日時限 夏学期 火曜日 1時限
必修選択 選択 Elective 
単位数
担当教員

飯嶋 裕治

開講学部・学府 大学院基幹教育科目 
対象学部等 全学府 All Graduate School 
対象学年 大学院生 Graduate Students 
開講地区 _
その他
(自由記述欄)
*本科目は「夏学期開講・1単位」のクォーター科目です。
*「ライブ型の遠隔授業」として実施します(Zoomを使用)。
*実施方法の詳細は、開講前までにMoodleコースページで説明します。 

大学院基幹教育HP
http://www.artsci.kyushu-u.ac.jp/campus_life/gs/course_list 



履修条件
特になし。 
授業概要
私たちが住まう現代社会において、人間と技術の関係がどうなっているか、これからどうあるべきかについて、倫理学的なアプローチから考察・議論する。

まず受講に際する注意点として、以下の二点をあらかじめ承知しておいてほしい。

(1)「技術者・科学者として必要なモラル」といった問題(…技術者・科学者倫理)は、この授業の直接的な主題ではない(もちろん全く無関係というわけではない)。
この授業で目指すのは、受講者それぞれが「技術」をめぐる様々な問題について、現代社会に生きる市民として(なかでも相応の教養と専門知識を持った市民として)自ら考え議論する機会を提供することにある。
その意味で、文系・理系、学部・学科を問わず、様々な専門分野を学びつつある多様な学生の参加を大いに歓迎する。

(2) この授業では、Moodleを利用して受講者から毎回「意見・質問・感想」の提出を求める。
提出された意見は、次回授業の中で相当の時間を割いて紹介・コメントし、フィードバックを行なう。受講者にはこの点で授業への積極的な貢献が期待される(=重要な評価の対象となる)。
授業内で提示された質問について「自分ならどう考えるか」「なぜそう考えるか」をそのつど考えてみてほしい。

では「技術と倫理」というテーマに対し、この授業はどんな問題意識・アプローチで取り組むか?

倫理学的な観点から見たとき、「技術」の特に注目すべき特徴として、テクノロジーとしての技術が、次第に人間自身の制御・コントロールを離れて、半ば自律的に発展・展開してしまうという傾向を挙げることができるかもしれない。
そこで特に問題になるのは、技術の発展が、それまでの人間自身の生き方や社会のあり方と齟齬を来たし、対立する可能性が生じる点だ。
主にこのような問題意識から、現代社会における様々な具体的問題について、受講者の意見を募りつつ考察・議論を進めることによって、「技術とは何か」という問題を哲学・倫理学的に捉え直すことを目指したい。

授業で取り上げる具体的問題としては、以下のように様々なものが考えられる。
・技術の発展によって、社会や人間関係のあり方にどんな影響がもたされるか(SNS、自動運転技術、等々)
・医療・生殖技術や人工知能研究等の進展による人間像(「人間とは何か?」)の動揺
・技術とクリエイティヴィティの関係(「誰でもアーティスト」の時代を経て「AIによる芸術」の時代へ?)
・イノベーション(新しいビジネスモデルの創出等も含む)と、知的財産権やプライバシー保護とのトレードオフ関係
…等々

ただしこれらはあくまでも例であり、検討するトピックの選定自体も含めて、受講者が各自の興味関心や専門的知見を持ち寄ってくれることを期待している。

なお本授業は「高年次基幹教育科目」と「大学院基幹教育科目」の合併科目であり、学部2年生以上および大学院生が参加可能。 
This course aims to rethink the interrelation between technology and ethics in our contemporary society.
By using e-learning system, we will exchange opinions on various concrete issues. 
授業形態
(項目)
□ 講義(ライブ型の遠隔授業) 
授業形態
(内容)
使用する教材等
・PDFファイルによる配付資料(Moodleからダウンロード)
・映像資料 
全体の教育目標
(知識・理解)技術に関する哲学的考察や倫理学の基本的知識を知る。
(汎用的技能)具体的な問題を倫理学的な観点から捉えて考えることができるようになる。
(態度・志向性)「技術と倫理」について「私たちの社会にとっての問題」として引き受けて考えることができるようになる。 
個別の教育目標
授業計画
1.ガイダンス
授業内容や実施方法について説明する。
(事前/事後学修)Moodleでの意見提出

2.具体的な問題に即して議論する
教員から「技術と倫理」に関する様々な具体的問題を提示するので、受講者は各自の意見をそのつど提出する。
その多様な意見をクラスで共有することを通じて、問題の理解を深め、さらなる議論を行なう。
(事前/事後学修)Moodleでの意見提出 
キーワード
技術、テクノロジー、倫理、技術決定論/社会決定論 
授業の進め方
テキスト
特になし。
毎回資料(PDFファイル)を配付。 
参考書
村田純一『技術の哲学』(岩波書店、2009年)
その他は授業内で適宜紹介する。 
学習相談
メールないしMoodleメッセージで連絡をとること。
iijima@artsci.kyushu-u.ac.jp 
試験/成績評価の方法等
成績は、毎回の意見提出による授業への貢献度と、最終レポートを総合的に評価する。 
その他
添付ファイル
更新日付 2023-03-22 16:07:05.133


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