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授業のテーマ
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授業の内容(90分授業=2時間)
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事前/事後学修の内容
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加地 範匡 教授 講義の説明 および「ナノバイオテクノロジーによる先端バイオ分析」
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現在、日本人の2人に1人ががんを患い、3人に1人ががんで亡くなっています。今後、高齢化が進展するに従い、ますますがんの患者数は増加することが予測され、がんの早期発見・早期治療が強く望まれています。本講義では、がんをいかにして早期に発見するか、最先端の遺伝子レベルから細胞レベルにまで及ぶバイオ分析・診断技術と、そこから見えてくる未来社会について解説します。
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小レポート有り
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石原 達己 教授 「エネルギーキャリアとしての水素」
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現在、地球温暖化は深刻な状況です。そこで、我々は再生可能エネルギーを有効に使うことが求められています。本講義では現在、エネルギーを有効に使う上で、重要と考えられている電気と水素、光と水素の変換など、エネルギーキャリアとしての水素の位置づけや光合成のように水素を作る材料や技術を紹介します。
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小レポート有り
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3
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田中 敬二 教授 「身の回りの高分子材料:ナノテク応用からギガテク応用まで」
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自動車部材に使われる高分子の使用量を半減させれば持続可能な社会に貢献できます。しかしながら、使用量を半分にしながらも耐久性や安全性を維持することは容易でありません。このため、高分子を補強する繊維や無機材料を少量添加しますが、この際の界面のナノレベルの出来具合が材料の巨視的な物性を左右します。また、高齢化社会の到来とともに高分子を用いたさまざまな医用材料が開発されていますが、これらの性能も体液と接触した界面での高分子の設計が重要となります。本講義では、界面に着目した高分子材料の設計方針について考えます。
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小レポート有り
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4
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安達 千波矢 教授 「高性能有機光半導体デバイス」
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今,有機材料が新しい光半導体材料として大きな注目を集めています。有機機能分子をコアに従来のSiテクノロジーの限界を超えた電子デバイスが次々に創製されています。100%の電気→光変換が可能な有機ELデバイス,高性能有機太陽電池,有機トランジスター,そして夢の有機半導体レーザーなど最先端有機光半導体デバイスについて紹介します。
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小レポート有り
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中野 幸二 准教授 「化学環境学とバイオセンシング」
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最近、「サスティナブル」という言葉を耳にすることが多くなりました。地球環境の限界を知り、SDGsの「持続可能な開発」という考え方が浸透しつつあるためです。ところで、環境は物質の存在状態とその変化によって決まるので、化学にふさわしい対象といえます。「化学環境学」は、環境を化学の視点から解明する科学と、環境を改善する化学技術からなる学術で、はじめに、この視点から環境問題について学びます。次に、研究のツールである化学計測法、特にバイオセンサーについて、最新の研究事例を紹介します。
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小レポート有り
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清水 宗治 准教授 「機能性有機色素分子の化学」
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有機色素分子は塗料や顔料を始めとして、我々の身の回りにあふれています。最近では有機ELや有機太陽電池などの有機エレクトロニクス分野やイメージングや光線力学療法などのバイオ・医療分野における最先端研究においても広く用いられています。本講義ではそのような最先端研究を支える機能性有機色素分子の合成・物性研究について、有機化学の基礎知識に基づき、わかりやすく紹介します。
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小レポート有り
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7
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林 克郎 教授 「汎用元素こそ役に立つ材料機能」
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最先端の製品・部品に不可欠な希少元素や有害な元素の利用が難しくなりつつあります。本講義で解説するセラミックスは元来、汎用元素を利用した材料群であり、近年でもスマートグリッド蓄電池や環境浄化維持のために不可欠な材料へと展開しています。これらの事例をセラミックスの特徴を解説しつつ、元素に関する固定概念を取り払うことで見えてくる、材料研究の面白さについて紹介します。
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小レポート有り
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8
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片山 佳樹 教授 「医療費を削減するエコメディシン」
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高齢化社会を向かえ健康維持の問題が重要になっています。しかし、今のままの治療法や薬の開発・使用の方法を続けると国家財政は破綻します。そこで、これまでとは考え方の異なる薬物を効率よく開発し、より少なく安価で、これまでにない効果が期待できる薬を実現しようという研究が盛んになされています。このようなエコメディシンの現状と展望について紹介します。
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小レポート有り
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神谷 典穂 教授 「昆虫バイオリファイナリーの可能性」
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現在、身の回りの多くの化学製品は石油を資源として生産されています。一方、再生可能な植物資源から化学製品(バイオケミカル)を生産する概念はバイオリファイナリーと呼ばれ、その利用範囲の拡大が求められています。本講義では、昆虫(蚕)を利用するバイオリファイナリーの位置付けと可能性について、化学とバイオテクノロジーの両面から解説します。
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小レポート有り
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藤ヶ谷 剛彦 教授 「ナノ炭素材料が拓くエネルギー社会」
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フラーレン、グラフェン、カーボンナノチューブ、炭素繊維、様々な新しい炭素材料が登場している。これらの新しい炭素材料「ナノ炭素材料」が次世代のエネルギー材料として、低コスト化、高エネルギー密度、高耐久性の面において革新をもたらしつつある。世界で行われている最新の研究を紹介しつつ、私たちの研究室で行われている研究も紹介します。エネルギー分野にとどまらないナノ炭素材料の未来についても概説します。
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小レポート有り
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後藤 雅宏 教授 「生物機能を利用したグリーンプロセス」
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私たちの体の中あるいは動植物の中には様々な生体分子が機能しています。本講義ではその中で特に「酵素」という生体触媒分子に着目します。私たちの体の中では数千種の酵素が機能し生命活動を維持しています。最近、この酵素を取り出して環境に優しい生産プロセスを構築しようとする研究に注目が集まっています。本講義ではまず酵素とは何かを優しく解説し、酵素を利用したグリーンプロセスについて紹介します。
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小レポート有り
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星野 友 教授 「生体を模倣したCO2分離・利用技術」
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カーボンニュートラル社会実現のために、様々な環境からCO2を回収し、有効利用する技術の開発が求められている。しかしながら、現在のCO2分離技術は、分離に必要なエネルギーが大きすぎるという問題がある。一方、私達生物は常に外部から酸素を取り込み、体内でCO2を生成している。CO2は生物にとって有害であるため、生体は体内のCO2を効率よく回収し、体外に排出する機構を有している。本講義では、生体のCO2回収機構を模倣した高効率なCO2分離材料やこれを用いたCO2分離装置、CO2を有効活用するための技術について紹介します。
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小レポート有り
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君塚 信夫 教授 「分子システム化学:分子組織化を利用する光エネルギーの有効活用技術」
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細胞は、多くの生命分子が自発的に特定の集合組織構造をつくることにより形成されています。本講義では、この「自己組織化」の原理を工学的に応用し、ナノメートルサイズの人工の分子組織体をアセンブリするとともに、太陽光をはじめとする光エネルギーの有効活用に結びつける光蓄熱やフォトン・アップコンバージョンの研究について紹介します。
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小レポート有り
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小江 誠司 教授 「水素エネルギーの化学」
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自然界ではヒドロゲナーゼという酵素が、水中・常温・常圧で水素分子を活性化し電子を取り出しています。人工的に、水中・常温・常圧で水素分子から電子を取り出すことのできる分子触媒の設計・合成・機能について解説します。
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小レポート有り
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