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授業科目の概要

科目名称 刑法Ⅰ(刑法総論) 
講義題目
刑法総論(犯罪論の検討) 
科目ナンバリング・コード LAW-LAW2611J 
担当教員

冨川 雅満

更新日付 2022-03-15 11:23:29.095
授業科目区分 基盤科目 
学部カテゴリ 法学部 
使用言語 日本語(J) 
対象学部等 法学部 
対象学年 1年 
必修選択 選択 
単位数
開講年度 2022 
開講学期 後期 
曜日時限 後期 金曜日 2時限
教室  
開講地区 伊都地区
授業科目に関する特筆事項
原則、対面による授業を実施する。各種状況や全学・学部の方針により、学期途中でオンラインのみ、対面とオンラインの併用での実施に変更することがありうる。 



授業科目の目的・目標・履修条件について

授業科目の目的(日本語)
 刑法は、犯罪と刑罰に関する学問領域である。その中でも、刑法総論は、各犯罪に共通する論点を扱う領域で、個別の犯罪類型に関する固有の論点を扱う刑法各論とは、網目の縦糸と横糸のような関係にある。とりわけ、刑法総論は、犯罪の体系に関わる学問領域であるから、刑法総論を通して学修することで、刑法の全体像を把握することになる。

 本講義の大きな目的には、刑法総論の全体像を把握するとともに、犯罪論の基本理解を修得することにあるが、これに加えて、以下のような点も含まれる。

A.専門的能力:刑法総論では、各犯罪に共通する要素を体系的に整理するために議論が展開されているところが多く、ともすれば、非常に抽象的な議論になりやすい。それゆえ、高い理解力が養われることになろう。他方で、具体的事案の処理も必要とされるため、抽象的な議論を具体的事案に落とし込むという高度な応用力も必要となり、この点の素養にもなると思われる。

B.汎用的能力:難解で複雑な議論を丁寧に分析することで、論理力を獲得することができる。刑法総論での各テーマは、判例・学説上多様な見解が主張され、時に激しい対立が見られる領域である。それぞれの立場の根拠づけや他の立場への批判を比較・検討することは、論理的思考力を培うための良い素材となる。 
授業科目の目的(英語)
 Criminal law is the discipline of crime and punishment. Among these, general criminal law is the area that deals with issues common to all crimes, and it is like the warp and woof of a net to criminal law theory, which deals with specific issues related to individual types of crimes. In particular, since general criminal law is an area of study that deals with the system of crimes, students will gain an overall picture of criminal law by studying through general criminal law.

 The major objectives of this course include grasping the overall picture of general theory of criminal law and acquiring a basic understanding of criminal theory, but in addition to this, the course also includes the following points.

A. Professional Competence: In the general theory of criminal law, there are many areas where discussions are developed to systematically organize the elements common to each crime, and, in some cases, the discussions can easily become very abstract. Hence, a high level of comprehension will be developed. On the other hand, since concrete cases also need to be dealt with, a high level of applied ability to put abstract arguments into concrete cases is also required, and this is also expected to be cultivated in this respect.

B. General-purpose ability: Students will acquire logical ability through careful analysis of difficult and complex arguments. Each topic in the General Theory of Criminal Law is an area in which a variety of views are advocated in terms of precedents and theories, and sometimes violent conflicts can be seen. Comparing and examining the rationale for each position and criticism of other positions is good material for cultivating logical thinking skills. 
キーワード
刑法 
履修条件
特になし 
学位プログラムの学修目標 授業科目の到達目標(評価の観点)
LAW-LAW21:B-2-3. (民刑事法学) 法学・政治学の専門知と技能についての知識と理解  刑法学の専門的知識を理解すること、具体的事案を適切に処理できること 
   

※学修目標と授業科目の結びつきの強さ

カリキュラム・マップ LAW-LAW21法学部
ルーブリック

授業科目の実施方法について

授業の方法
講義
教授・学習法
一方向性の知識伝達型の教授・学習法
グループ・ディスカッション
グループワーク・ペアワーク
遠隔授業
対面授業の形で実施する
Moodleコース情報
コース設定あり
Moodleトップ画面(https://moodle.s.kyushu-u.ac.jp/course/index.php)
使用する教材
教科書・参考書・印刷資料
教材の配布方法
Moodle/B QUBE
テキスト
教科書は指定しない。が、自分に合うと思ったものを必ず1冊持っておくこと。本学図書館や生協等に赴き、「刑法総論」と題する教科書をいくつか手に取って、読み比べてみてほしい。その際、最新の刑法改正(2021年2月時点で最新の重要改正は2017年6月23日の第15次改正)を盛り込んだものを選ぶことを強く勧める。
詳しくは、初回授業レジュメを参照のこと。 
参考書等
判例学習用の参考書も用意しておくことを勧める。教科書、参考書選定に悩む者については、担当教員に個別に問い合わせてくれれば、相談にのることができる。
詳しくは、初回授業レジュメを参照のこと。 
授業計画 授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。
1単位あたりの学修時間(45時間)の内訳(目安)
(講義・演習の場合)授業内学修15時間、事前・事後学修30時間
(実験、実習および実技の場合)授業内学修30~45時間、事前・事後学修0~15時間
授業のテーマ 授業の内容(90分授業=2時間) 事前/事後学修の内容
1 刑法の基礎  刑法の体系論、基本的用語に関する解説  事前学習:事前に指定したテーマにつき、各自が持つ教科書の該当箇所を読んでおくこと
事後学習:講義内容を踏まえ、レジュメや教科書等を参考にしつつ、扱ったテーマについてノートにまとめる作業
各回で、予習2時間、復習2時間を想定。 
2 因果関係論の基礎  因果関係に関する基本的理解の解説  事前学習:事前に指定したテーマにつき、各自が持つ教科書の該当箇所を読んでおくこと
事後学習:講義内容を踏まえ、レジュメや教科書等を参考にしつつ、扱ったテーマについてノートにまとめる作業 
3 不作為犯論の基礎  不作為犯論に関する基本的理解の解説  事前学習:事前に指定したテーマにつき、各自が持つ教科書の該当箇所を読んでおくこと
事後学習:講義内容を踏まえ、レジュメや教科書等を参考にしつつ、扱ったテーマについてノートにまとめる作業 
4 故意論の基礎  故意論に関する基本的理解の解説  事前学習:事前に指定したテーマにつき、各自が持つ教科書の該当箇所を読んでおくこと
事後学習:講義内容を踏まえ、レジュメや教科書等を参考にしつつ、扱ったテーマについてノートにまとめる作業 
5 錯誤論の基礎  錯誤論に関する基本的理解の解説  事前学習:事前に指定したテーマにつき、各自が持つ教科書の該当箇所を読んでおくこと
事後学習:講義内容を踏まえ、レジュメや教科書等を参考にしつつ、扱ったテーマについてノートにまとめる作業 
6 過失犯論の基礎  過失犯論に関する基本的理解の解説  事前学習:事前に指定したテーマにつき、各自が持つ教科書の該当箇所を読んでおくこと
事後学習:講義内容を踏まえ、レジュメや教科書等を参考にしつつ、扱ったテーマについてノートにまとめる作業 
7 違法性阻却事由の基礎  違法性阻却事由、正当行為(35条)、被害者の承諾論に関する基本的理解の解説  事前学習:事前に指定したテーマにつき、各自が持つ教科書の該当箇所を読んでおくこと
事後学習:講義内容を踏まえ、レジュメや教科書等を参考にしつつ、扱ったテーマについてノートにまとめる作業 
8 正当防衛論の基礎  正当防衛論に関する基本的理解の解説  事前学習:事前に指定したテーマにつき、各自が持つ教科書の該当箇所を読んでおくこと
事後学習:講義内容を踏まえ、レジュメや教科書等を参考にしつつ、扱ったテーマについてノートにまとめる作業 
9 緊急避難論の基礎  緊急避難論に関する基本的理解の解説  事前学習:事前に指定したテーマにつき、各自が持つ教科書の該当箇所を読んでおくこと
事後学習:講義内容を踏まえ、レジュメや教科書等を参考にしつつ、扱ったテーマについてノートにまとめる作業 
10 未遂犯論の基礎  実行の着手論、不能犯論、中止犯論に関する基本的理解の解説  事前学習:事前に指定したテーマにつき、各自が持つ教科書の該当箇所を読んでおくこと
事後学習:講義内容を踏まえ、レジュメや教科書等を参考にしつつ、扱ったテーマについてノートにまとめる作業 
11 共犯論の発展  共犯の基礎理論、間接正犯論、共同正犯論、狭義の共犯論に関する基本的理解の解説  事前学習:事前に指定したテーマにつき、各自が持つ教科書の該当箇所を読んでおくこと
事後学習:講義内容を踏まえ、レジュメや教科書等を参考にしつつ、扱ったテーマについてノートにまとめる作業 
備考
 講義形式で行うが、担当教員が提示した質問に対して、受講者に回答してもらうことがよくある。
 講義では条文を参照することが多いため、六法を持ってくるなど、条文をその場で確認できるようにしておくこと。 その他の資料については、レジュメを配布する予定であるが、レジュメを事後的に読むだけでは、講義内容を十分に理解することは難しい。受講者自身が効果的に復習するためにも、受講者は担当教員による解説をノートにまとめていくことが必要である。したがって、ノートテイキングができる準備をして、受講することが求められる。なお、やむを得ない事情によりノートテイキングに困難がある者については、担当教員に個別に相談してもらえれば、対応の方法を協議する。
 予習・復習には時間をかけることが望ましい。予習・講義・復習を通じて、理解できなかった点については、担当教員に相談してもらえれば、さらなる理解へのアドバイスを行う。 

授業科目の成績評価の方法について

定期試験
定期試験の成績を基本とする。定期試験では、刑法総論の各テーマについての理解度や、論理的思考能力、そして、それらを答案に表現できているかを評価対象とする。理解度については、少なくとも講義内で解説した点を理解できていることを要求する。出席点は考慮しない。ただし、授業内に加点要素として、任意の課題等を提示することもありうる 

授業科目に関する学習相談について

担当教員による学習相談
 質問については随時受け付けているが、時間の関係上、アポイントをとって後日対応することがある。 
合理的配慮について
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行った上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)
修学上の合理的配慮の流れに関する部局HP https://www.law.kyushu-u.ac.jp/faculty/handicapped-support 


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