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講義科目名 音声情報学特論 
科目ナンバリングコード DEG-HSJ5171J DEG-CDS5521J 
講義題目
授業科目区分 大学院科目 Subjects for Graduate School of Design 
開講年度 2021 
開講学期 後期 
曜日時限 後期 木曜日 5時限
必修選択 選択 Elective 
単位数
担当教員

鏑木 時彦

開講学部・学府 芸術工学府 
対象学部等 芸術工学府 デザイン人間科学コース/コミュニケーションデザイン科学コース Department of Design,Human Science/Communication Design Science 
対象学年 修士1年/修士2年,博士1年/博士2年/博士3年 Master first grade/second grade,Doctor first grade/second grade/third grade 
開講地区 大橋地区
その他
(自由記述欄)



履修条件
音声学、音響信号処理、音響理論に関する基礎学力を有することが望ましい。 
授業概要
音響信号を用いたコミュニケーションは、我々にとってきわめて日常的なものである。音声とは、我々の言語的思考を物理的に具現化したものである。また、楽音とは、我々の芸術的感性を具体的に表現したものであると考えられる。このような音響コミュニケーションでは、情報を受容し知覚する聴覚系の働きについて理解するとともに、情報を生成する人の機能について知ることが必要である。ここでは、人の音声コミュニケーションに焦点をあて、音声情報の生成システムである発話系の構造と機能について説明する。このような発話機能を通じて、人の持つコミュニケーションの能力について理解を深めることを目的とする。 
This lecture focuses on the speech communication and especially mechanisms of speech production by human. Speech production process has several layers from the physiology, dynamics, and kinematics of speech organs to the physical phenomena such as the acoustics of the vocal tract and sound source generation at the glottis. This lecture is aimed at learning our ability of communication using acoustic signals. 
授業形態
(項目)
□ 講義・演習
□ グループワーク 
授業形態
(内容)
前半は、授業担当教員による解説を主とした形態です。後半は、2〜4人程度のグループを作って、音声分析と発表のグループワークをおこないます。 
使用する教材等
板書、テキスト(紙媒体)、スライド資料(電子媒体)、映像・音声資料 
全体の教育目標
音声情報の特性や発話機構、また音声の工学的な処理法について理解することを目標とする。 
個別の教育目標
音声、つまり「話し言葉」について、各方面から講義をおこなう。機能的にみれば、音声は言語情報の担い手であり、最も身近なコミュニケーションの手段である。また、音声は音の一種であり、物理現象としての一面をもつ。音声を作り出す人の発声メカニズムに関しても、各種の物理的プロセスと、その物理プロセスを制御している生理学的なプロセスとがある。音声の理解には、このような多様性があることを発見し、それぞれの受講生の専門性の観点から、講義の内容を把握していってほしい。また、パソコンを使用して実際に音声を分析し、その結果をプレゼンする機会を設けるので、音の扱いや周波数分析にも慣れ親しんでほしい。 
授業計画
第1回 序論
 授業の全体的な目的を把握する。
第2回 音声情報の特徴と役割
 音声の包含する情報の種類や、音声の持っている働きについて機能的な面から理解する。
第3回 音声生成の音源フィルタモデル
 音声の生成過程を表すもっとも基本的なモデルとして、音源フィルタモデルについて理解する。
第4回 声道の音響モデル(1)
 音声の生成過程における音源波や声道フィルタの音響特性の特徴を基として、音声のスペクトルが
 もつ構造性について理解する。さらに、声道のもっとも基礎的なモデルとして、単一の音響管に
 おける音響共鳴について述べる。
第5回 声道の音響モデル(2)
 前回の単一の音響管による音響モデルを発展させ、声道の多管近似と感度関数について述べる。
第6回 声帯音源の機構(1)
 音声のもっとも基本的な音源として、声帯音源を生み出す喉頭の仕組みやその音響的な特徴に
 ついて理解する。
第7回 声帯音源の機構(2)
 声帯の自励振動のメカニズムを、呼気の流体運動と声帯弾性体の相互作用として理解する。
第8回 音声の受容と中枢の言語処理
 音声を受容する聴覚抹消系の仕組みと、音声コミュニケーションにおける言語中枢の働きについて述べる。
第9回〜12回
 グループごとに音声に関する調査と簡単な音声分析実験をおこなう。
第13回〜14回
 調査結果をグループごとに口頭で発表する。
第15回 まとめ
 授業を総括しその意義を再確認する。 
キーワード
音声コミュニケーション、音声情報、音声発話、音声知覚、音声分析 
授業の進め方
講義用資料に基づいて授業を進めるほか、計算機を使用して実際に音声を分析し、その結果をプレゼンする取り組みをおこなう。 
テキスト
適宜プリントを配布する。 
参考書
Levelt, Speaking:From intention to articulation, MIT Press
Rabiner and Schafer, Digital processing of speech signals, Prentice Hall 
学習相談
毎週月曜日午後2時半~4時に教員室(3号館7階702号室)で学習相談を行う。希望者は事前に電子メール(kabu@design.kyushu-u.ac.jp)で相談希望日時、相談内容を連絡の上、予約すること。 
試験/成績評価の方法等
期末試験、またはレポート課題を70%、平常点を30%とする。 
その他
添付ファイル
更新日付 2021-03-11 18:31:20.587


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