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講義科目名 環境人類学 
科目ナンバリングコード DES-END2171J 
講義題目
授業科目区分 専攻教育科目 Specialized Education 
開講年度 2020 
開講学期 秋学期 
曜日時限 秋学期 火曜日 4時限
秋学期 火曜日 5時限
必修選択 選択必修 Required elective 
単位数 2.0 
担当教員

谷 正和

開講学部・学府 芸術工学部 
対象学部等 芸術工学部 環境設計学科 Department of Environmental Design 
対象学年 学部2年 Undergraduate second grade 
開講地区 大橋地区
使用言語 日本語(J) 
使用言語
(自由記述欄)
日本語・英語 
教室  
その他
(自由記述欄)



授業概要
環境人類学は比較的新しい人類学の一分野で、1990年代以降、次第に形成されてきた。そのため、未だに、「環境人類学」とはどのような研究分野をさすか、研究者によって、様々な解釈がなされている。狭い定義では、(地球)環境問題の人類学的研究であるとか、生態学的知識に基づく応用人類学的研究であるとか言われている。また、より広い定義では、文化生態学を基盤とし、その理論的範疇を拡大した政治生態学を中心とする現代社会の状況に取り組める枠組みの人類学を指すと理解する研究者も多い。
この講義で考える環境人類学とは以下のようなものである。環境人類学は19世紀以来の人類学による環境と文化の研究の概念・知見を核として、現代的な(自然)環境と人間集団・共同体の関係を体系付け、理解しようとする分野である。したがって、中心となる概念は、集団がその生存のため環境と物質・情報のやり取りを行う過程としての「適応」であり、その適応の仕方によって集団の持つ文化の重要な部分が形成される。
近年のグローバル化に伴って集団間の相互影響が急速に拡大している現在、集団の生存には周辺の自然環境のみならず、社会・文化・政治・経済状況という「環境」が大きく集団の適応に影響を及ぼしている。したがって、世界的な政治経済体制を考慮することなしには、一見隔絶された環境にある集団の適応が何故困難になっているのかを理解することはできない状況が生まれている。このことは、現在世界中の発展途上地域で行われている開発援助・国際協力が想定された効果を上げられないことに深くかかわっている。つまり、途上国の狩猟・採集、農業、漁業、牧畜などの生業に従事する集団は、周辺環境に依存しているともに、グローバルな政治経済体制から直接間接的に大きな影響を受けていることを、考慮に入れなければ貧困解消を大目的とする開発援助は効果を上げられない状況にある。このような、認識をもとに講義を進める。
この授業は環境設計学科の教育到達目標のうち、(2)-3他者についての想像力 の修得を目標としている。 
Environmental anthropology is a relatively new field in cultural anthropology being formed after the 1990s. The definitive contents of environmental anthropology, therefore, is still debatable to a certain extent. Environmental anthropology dealt by this class may be defined as follows: it is a field to systematically understand the relationship between the environment and human groups based on the knowledge and concepts acquired through the study of environment and people in the discipline of anthropology since the 19th century. The central concept of this field is “cultural adaptation,” by which each human group secures their survival through the exchange of materials and information with the environment.
Recent globalization has affected the way of human adaptation. Not only natural environment, but social, cultural, political, and economical environments seriously affect the adaption of a group. Therefore, without the understanding of global political-economy, it is difficult to fully comprehend the problems occurring among a “native” ethnic group in a “remote” area of the world.
This course intends to help students to achieve a goal of 2-(3) “Imagination for others” among the achievement goals of education by the Department of Environmental Design. 
キーワード
文化、適応、文化生態学、生態人類学、政治生態学、伝統的社会、環境問題 
授業形態
(項目)
☑ 講義・演習
□ 実験
□ グループワーク・ペアワーク
□ 学内外実習
□ プレゼンテーション
□ ディスカッション 
授業形態
(内容)
講義と質疑応答により構成する 
使用する教材等
板書、テキスト(紙媒体)、スライド資料(電子媒体)、映像・音声資料 
履修条件等
特になし 
履修に必要な知識・能力
文化人類学の基本的な知識があることが望ましい 
到達目標
No 観点 詳細
1. 概念の理解  環境人類学における「文化」、「適応」、「生態系」などの基本的な概念を理解する 
2. 理論の展開  文化を環境のパラメーターで理解しようとしてきた学問、理論の歴史的展開を理解する 
3. 研究事例の理解  環境人類学の枠組みで行われた優れた研究事例を知り、文化と環境の関係を考える 
4. D:態度・志向性   
授業計画
No 進度・内容・行動目標 講義 演習・その他 授業時間外学習
1. はじめに:授業の進め方と基本的な概念 
◯ 
   
2. 文化の概念 
◯ 
   
3. 文化相対主義 
◯ 
   
4. 適応の概念 
◯ 
   
5. 文化的適応 
◯ 
   
6. 文化生態学 
◯ 
   
7. 生態人類学 
◯ 
   
8. 生態人類学から環境人類学へ(中間試験) 
◯ 
   
9. 政治生態学 
◯ 
   
10. ホンデュラス:大資本による森林破壊 
◯ 
   
11. バングラデシュ:貧困による森林破壊 
◯ 
   
12. コンゴ、ニカラグア:市場のグローバル化と野生動物の減少 
◯ 
   
13. インドネシア:バリの農業開発 
◯ 
   
14. ペルー:貧困に対する世帯の適応 
◯ 
   
15. ネパール、バングラデシュ:地下水砒素汚染 
◯ 
   
授業以外での学習にあたって
関連する文献図書を随時紹介するので、興味に従って読み進める 
テキスト
なし 
参考書
参考となる文献は授業中にも提示する。以下の2冊は図書館に購入して配架してある(各書3冊ずつ)ので適宜参照すること。
・池谷和信「地球環境問題の人類学」世界思想社(2003)1900円
・P.タウンゼンド「環境人類学を学ぶ人のために」世界思想社(2004)1785円 
授業資料
授業のアウトラインと前回の授業に関する質問に対する解説のプリントを配布する。これらの資料はWebCTにもアップロードする。 
成績評価
評価方法・観点 観点No.1 観点No.2 観点No.3 観点No.4 観点No.5 観点No.6 観点No.7 観点No.8 備考(欠格条件・割合)
 
◎ 
◎ 
◎ 
 
 
 
 
 
70% 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ミニレポート(毎回) 
◯ 
◯ 
◯ 
◯ 
 
 
 
 
15% 
中間試験(持ち帰り) 
◯ 
◯ 
◯ 
◯ 
 
 
 
 
15% 
成績評価基準に関わる補足事項
レポートは中間試験として持ち帰りの試験とする。中間および期末試験は講義で紹介した概念、用語、事例に関する理解を問うものとする。 
ルーブリック
21_環境人類学ルーブリック.pdf 環境人類学ルーブリック
学習相談
随時。また、毎回の講義で「内容理解カード」を配布するので、その回の講義の内容でよく分からなかったことを、そのカードに書いて提出すること。次回の授業では、まず、前回の講義でカードに書かれたこと関する説明を行ったのち、次のテーマについての講義を行う。 
添付ファイル
授業担当者の実務経験有無
授業担当者の実務経験内容
<実務経験の内容>

<実務経験が授業にどういかされるか> 
その他
授業中に質問カードを配布するので、必ず授業終了時に提出すること 
更新日付 2020-05-21 19:15:33.591


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