シラバス参照

講義科目名 技術と倫理 
科目ナンバリングコード KED-COS5312J 
講義題目
技術と社会の関係を倫理学から考える 
授業科目区分 基幹科目 Core Subjects 
開講年度 2019 
開講学期 冬学期 
曜日時限 冬学期 火曜日 1時限
必修選択 選択 Elective 
単位数
担当教員

飯嶋 裕治

開講学部・学府 大学院基幹教育科目 
対象学部等 全学府 All Graduate School 
対象学年 大学院生 Graduate Students 
開講地区 伊都地区
その他
(自由記述欄)
大学院基幹教育HP
http://www.artsci.kyushu-u.ac.jp/campus_life/gs/course_list 



履修条件
特になし。 
授業概要
【*本科目は冬学期開講の1単位のクォーター科目です】

私たちが住まう現代社会において、人間と技術の関係がどうなっているか、これからどうあるべきかについて、倫理学的なアプローチから考察・議論する。

まず受講に際する注意点として、以下の二点をあらかじめ承知しておいて欲しい。

(1)「技術者・科学者として必要なモラル」といった問題(いわゆる技術者倫理)は、この授業の直接的な主題ではない。(もちろん全く無関係というわけではない)
…この授業で目指すのは、受講者それぞれが「技術」をめぐる様々な問題について、現代社会に生きる市民として(なかでも相応の教養と専門知識を持った市民として)自ら考え議論する機会を提供することにある。
 その意味で、文系・理系、学部・学科を問わず、様々な専門分野を学びつつある多様な学生の参加を大いに歓迎する。

(2) この授業では、Moodleを利用して受講者から毎回「意見・質問・感想」の提出を求める。
…提出された意見は、次回授業の中でかなりの時間を割いて紹介・コメントし、フィードバックを行なう。受講者にはこの点で授業への積極的な貢献が期待される(重要な評価の対象となる)。
 授業内で提示された質問について「自分ならどう考えるか」「なぜそう考えるか」をそのつど振り返り考えてみて欲しい。

では、「技術と倫理」というテーマに対し、この授業はどんな問題意識・アプローチで取り組むか?

倫理学的な観点から見たとき、「技術」の特に注目すべき特徴として、テクノロジーとしての技術が、次第に人間自身の制御・コントロールを離れて、半ば自律的に発展・展開するという傾向を挙げることができるかもしれない。
そこで特に問題になるのは、技術の発展が、それまでの人間自身の生き方や社会のあり方と齟齬を来たし、対立する可能性が生じる点である。
主にこのような問題意識から、現代社会における様々な具体的問題について、受講者の意見を募りつつ考察・議論を進めることによって、「技術とは何か」という問題を哲学・倫理学的に捉え直すことを目指したい。

授業で取り上げる具体的問題としては、以下のように様々なものが考えられる。

・技術の発展によって、社会や人間関係のあり方にどんな影響がもたされるか(SNS、自動運転技術、等々)
・医療・生殖技術や人工知能研究等の進展による人間像(「人間とは何か?」)の動揺
・技術とクリエイティヴィティの関係(「誰でもアーティスト?」の時代の是非)
・知的財産権やプライバシー保護と、イノベーション(新しいビジネスモデルなども含む)とのトレードオフ関係
…等々

ただしこれらはあくまでも例であり、検討するトピックの選定自体も含めて、受講者が各自の興味関心や専門的知見を持ち寄ってくれることを期待している。

なお本授業は「高年次基幹教育科目」との合併科目であり、学部学生も参加する。 
This course aims to rethink the interrelation between technology and ethics in our contemporary society.
By using e-learning system, we will exchange opinions on various concrete issues. 
授業形態
(項目)
□ 講義
□ プレゼンテーション(*希望者のみ。受講者が多い場合には実施しない可能性がある。) 
授業形態
(内容)
使用する教材等
板書、PDFファイルによる配付資料(Moodleからダウンロード)、映像資料 
全体の教育目標
・「技術」をめぐる提示された問題に対して、自分なりの考えをまとめ、的確に表現することができる。
・授業内で議論された問題・テーマを、自分自身の専門分野とのつながりの中で考えることができる。 
個別の教育目標
・「技術」の進歩がわれわれの社会や生き方に与え得る、様々な影響について知る。
・「技術」をめぐる様々な問題について、倫理学的な視点から自ら考えることができる。 
授業計画
1.イントロダクション:「倫理学」的なアプローチとはどのようなものか?
2.そもそも「技術」とは何か?
3.技術と社会との関係
4.技術をめぐる様々な問題について考察・議論する
5.まとめ 
キーワード
技術、テクノロジー、倫理、技術決定論、社会決定論 
授業の進め方
・基本的に講義形式で進める。
・毎回の課題として、授業の「感想・質問」の提出を求める。九州大学e-learningシステム(Moodle)を使用。
・提出された意見は、次回授業で紹介・回答・コメントする(*授業時間の半分以上を使う予定)。
・意欲がある人がいれば、受講者によるプレゼンテーションの時間を授業内で設ける可能性がある。 
テキスト
特になし。毎回資料(PDFファイル)を配付。 
参考書
村田純一『技術の哲学』(岩波書店、2009年)
その他は授業内で適宜紹介する。 
学習相談
授業の前後に直接相談。
メールの場合は、iijima@artsci.kyushu-u.ac.jpまで連絡。 
試験/成績評価の方法等
成績は、毎回の意見提出による授業への貢献と、最終レポート(予定)を総合的に評価する。 
その他
添付ファイル
更新日付 2019-03-19 18:08:02.939


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