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講義科目名 課題協学科目 
科目ナンバリングコード KED-ICL1131J 
講義題目
授業科目区分 課題協学科目 
開講年度 2018 
開講学期 後期 
曜日時限 後期 月曜日 3時限
後期 月曜日 4時限
必修選択  
単位数 2.5 
担当教員

木實 新一

開講学部・学府 基幹教育科目 
対象学部等  
対象学年
開講地区 伊都地区
使用言語 日本語(J) 
使用言語
(自由記述欄)
教室 1401,1402,1403,2303(合同) 
その他
(自由記述欄)
【複数担当教員】 石井 祐子、小林 亮介 



授業概要
この科目では専門分野の異なる3名の教員が一つのクラスを担当し、各々異なった視点から、教室テーマに沿い、かつ、グループ学習に適した題材(協学課題)を提供します。授業ではみなさんが協学課題を考えるために必要となる講義に加えて個人演習やグループ作業を実施し、幅広い視野をもって問題を発見する姿勢や問題の解決を目指して学び続ける態度と技能、専門を異にする他者と協働できる能力を養うことを目的としています。



教室テーマ「世界を読解する方法」について

受講生の皆さんは、この3つの協学課題で、それぞれ具体的なモノやコトについて深く読み解くことに取り組みます。問題に取り組む鍵は「能動的に読む」です。授業では、様々な対象を「読解」しながら、それぞれの問題について議論を深めていきます。この活動を通じて、「読む」ということについて多面的に理解を深め、世界を読解する能力を向上することが目標です。 
In this subject, three professors with different areas of expertize take turns in teaching the three classes. Each professor presents cooperation challenges from his or her point of view related to the classroom theme they provide. In addition to listening to a lecture that helps them to understand the cooperation challenges, students do individualized tasks and group works as well. This subject aims to cultivate a positive attitude to discovering problems from a wide perspective, resoluteness and skills to continue learning to solve the problems, and the ability to cooperate with others with different specialties. 
キーワード
読解、能動的、イメージ、画像、イメージ・リテラシー、批判的判断、感性、イメージをめぐるコミュニケーション、データ、データ・リテラシー 
授業形態
(項目)
授業形態
(内容)
使用する教材等
履修条件等
特になし 
履修に必要な知識・能力
特にないが、以下のような姿勢で取り組むのが望ましい。



・図書やインターネットを活用して情報を収集する



・他者と協力して建設的に意見を交換する



・さまざまな社会問題に広く関心を持つ 
到達目標
No 観点 詳細
1. A協学課題の理解力  成果物を作成するために、適切に課題の趣旨を理解することができる。 
2. B協学課題の分析力  成果物を作成するために、適切に課題の内容を分析することができる。 
3. C到達解の表現力  成果物を作成するために、適切に自分の考えを表現することができる。 
4. D協働作業への貢献  ・マナーを持ってグループ活動に参加できる。



・他者と協力し、定められた時間を有効に利用して活動できる。 
授業計画
No 進度・内容・行動目標 講義 演習・その他 授業時間外学習
1. 1. 石井 祐子(基幹教育院)、小林 亮介(比較社会文化研究院)、木實 新一(基幹教育院)が担当します。



教室テーマ: 世界を読解する方法



(1) 小テーマA:イメージを「読む」



(2) 小テーマB:地図を「読む」



(3) 小テーマC:データを「読む」



について授業を進めます。 
◯ 
   
2. [小テーマA] イメージを「読む」(石井祐子)

 私たちは日々の暮らしの中で、書物や街頭のポスター、テレビ、映画、インターネットなど、様々なメディアを通じて大量のイメージ/画像を目にしています。とくにSNSなどでは、自ら発信者として、イメージを他者に向けて簡単に提示することもできます。では、それらのイメージは、いったい何を伝えようとしているのでしょうか。(たとえば、それなりの時間とお金を費やして投稿された「インスタ映え」する食べ物の画像は、その味にまつわる情報以外にも何か伝えようとしているようです。)

 現代のテクノロジーは、時間や空間を超えたイメージの生産、流通、伝達を加速させています。このような世界で生きる私たちにとって重要なのは、イメージを享楽的・受動的に消費するだけでなく、それを創造的かつ批判的に判断する力です。すなわち、イメージを能動的に「読む」力が問われているということです。この協学課題では、写真や広告などの身近なイメージを題材に、イメージ・リテラシーを養うための理論や方法論を考察します。実践的なワークショップを通じて、イメージに対する感性を高めるとともに、明晰な認識と批判的判断力、読解力を身につけましょう。



<1週目>

オリエンテーション(授業の概要と目的の説明ほか)

ベースグループの作成と役割分担

テーマ1:イメージの多義性

 個人ワーク、グループワーク、資料読解など

テーマ2:イメージによるコミュニケーション

 イメージを「読む」ための観点や方法論(ミニ講義)

 個人ワーク、グループワーク



<2週目>

テーマ3:図像記号とメッセージ

 イメージの修辞法(ミニ講義)

 身の回りのイメージの分析(個人、グループワーク)

テーマ4:ワークショップー「広告」をつくる

 作業内容の説明、テーマの設定、個人・グループでのブ

レインストーミングなど



<3週目>

テーマ4の続き(具体的作業)

 何をどのように伝えたいのか(5W1H、構成、キャプシ

ョン等)の設定

 具体的作業の洗い出しと役割分担

 個人ワーク、グループワーク

 作業成果の持ち寄り、作品制作(協同)



<4週目>

プレゼンと講評

 プレゼン準備(グループワーク)

 ブース発表(2ラウンド)

 投票と講評、結果発表とフィードバック

 最終まとめ 
◯ 
グループ作業  <1週目>

・参考資料を復習

・雑誌、街頭、テレビ、インターネット等から、様々な趣向が凝らされていると思う画像を収集(詳細は授業中に指示)



<2週目>

・進捗状況の報告(Moodle)

・広告の5W1Hについて、各自内容を精査

・必要な画像を準備



<3週目>

・進捗状況の報告(Moodle)



<4週目>

最終レポートの提出(Moodle) 
3. [小テーマB] 地図を「読む」(小林 亮介)

 我々が世界各地で起きている様々な現象を考える時、地図はとても重要なツールです。地図は、国土・民族・宗教・人口など、様々な出来事の空間的な分布やその変遷を、一望可能な形で我々にわかりやすく伝えてくれます。私たちは地図や地図的なイメージを用いて空間を可視化し、記述することで、世界・社会を理解しようとしているといえるでしょう。

 その一方で、地図は、私たちの生活する空間を、常に「客観的」かつ「科学的」に示すとは限りません。領土問題を抱える国同士が、それぞれの主張に即して、異なる国境線を描いた地図を作製・利用していることは、その最たる事例です。その地図がもつ「主観的」性格にも注意を払う必要があります。

 この課題協学では、世界地図・歴史地図・社会地図(民族・宗教・人口分布図など)などを利用すること、さらに、異なる立場により描かれた地図それぞれの関心・価値観・世界観を「読む」ことを通じて、国境紛争をはじめとする世界の諸問題が形成される過程を考えていきます。



<1週目>

 授業前半では、教員による概要説明の後、仮のグループに分かれて、インターネットを用いて、国境紛争・民族問題などをテーマとして、グループごとに1〜3つの調べてみたい地域・事例を集約し、クラス全体で10個ほどのテーマにまとめます。

 後半では、図書館で教員による文献案内,そして個人・グループによる文献調査をおこない,最終的なグループ・テーマを絞り込みます。希望に応じて,可能な範囲でグループの調整・変更も行います。グループ・テーマについて個人の調査分担を決めて、さらなる調査・情報収集を開始します。



<2週目>

 第一週授業終了後に各自が調べた情報をもとに、グループごとで意見交換し,集まった情報,そして未解決の課題を確認し合います。その後,教員からプレゼンテーションの概要について説明をします(教員によるパワーポイントを用いた10分間プレゼンテーション含む)。それを受けて各自で批評・意見・アイデアをまとめます。またグループでまとまり,おおまかな発表構想を練り,必要な調査・不足する情報について再度確認します。その後,各自インターネットを利用して追加調査をおこないます(グループ内部で連携して構いません)。



<3週目>

 3限・4限ともに図書館での作業となります。授業前半(3限)では、文献・インターネット調査を継続的に行い,パワーポイント(PPT)作成をすすめます。後半(4限)では、最初にメンバー交換などを通じて各グループ間で交流・議論し,自分のグループ発表の課題発見につとめます。その後引き続きグループごとに発表準備をおこない,PPTの完成を目指します。最後の20分ほどを使い,発表のデモンストレーションをおこない,翌週の発表に備えます。



<4週目>

 パワーポイントによる発表を行っていきます(各グループ10分間)。3グループ終了毎に、発表を踏まえた10分間のディスカッションをおこない(各グループにて)、印象に残った点や課題を話し合います。最後に教員による講評と全体のまとめをおこないます。



課題文献ガイド

https://guides.lib.kyushu-u.ac.jp/c.php?g=857373&p=6142208 
◯ 
グループ作業  <1週目>

各個人の担当項目にもとづき調査をおこないます。



<2週目>

個人の担当分の調査が完了していない場合、調査します。



<3週目>

発表用PPTが完成していない場合は作成を続けます。



<4週目>

グループごとの報告の完成版PPTと、各自がまとめたレポートを提出します。 
4. [小テーマC] データを「読む」(木實新一)



私たちは日頃から図表などを用いてデータを目に見えるかたちで表現し、その意味を考えたり人と共有したりしている。データを可視化することで、そこから読み取ることのできる情報や知識を人に分かりやすく伝えることができる。その一方で、可視化によって事実が歪められ、偏った認識が世に広まってしまうリスクもある。この課題協学では、他者が発信した図表等を鵜呑みにするのではなく、それを批判的に検討し、さらにデータを自ら可視化して対比することにより、アクティブにデータを「読む」経験をする。その経験を振り返りながら、オープンデータ、ビッグデータ、AIなどの特徴も考慮しつつ、21世紀の社会におけるデータの可能性と限界について考える。



<1週目>

授業の前半では、グループに別れた後に、取り組む課題や授業の進行方法についての説明を受ける。次に、大学やキャンパス、学生生活の改善をテーマに、データの収集・分析・可視化を行うための準備を個人およびグループで行う。アンケートによるデータ収集法について説明を受けた後に、グループでアンケートを作成する。

授業の後半では、まずアンケートの回答を行い、データを収集・共有する。次にデータの分析と可視化の方法について説明を受けた後に、グループで手分けしてデータの分析と可視化を行う。最後に学習日誌を記入する。



<2週目>

授業の前半では、まず進行方法の説明を受け、先週の学習日誌に対するコメントや回答をもらう。次に、先週行ったデータの分析・可視化の結果をまとめたプレゼン資料を作成し、グループごとに発表を行う。

 授業の後半では、データを「読む」ことの可能性とリスクについて事例の紹介や説明を受けた後に、1週目に行ったデータ収集・分析・可視化について振り返るための個人ワークとグループワークを行う。次に、スマホを使って現地情報を収集するシステム「オープンデータキット」の説明を受け、「オープンデータキット」を用いて、大学やキャンパス、学生生活の改善をテーマに、伊都キャンパス内でデータを収集するための準備を行う。最後に学習日誌を記入する。



<3週目>

授業の前半では、まず進行方法の説明を受け、先週の学習日誌に対するコメントや回答をもらう。次にオープンデータキットの操作方法について説明を受け、キャンパス内でデータ収集を行う(各グループにデータ収集用のAndroid端末を1台貸し出す予定。)

授業の後半では、収集したデータの分析・可視化を行う。次に最終発表の説明を受け、グループ内で分担してプレゼン資料の作成や発表の準備を行う。最後に学習日誌を記入する。





<4週目>

授業の前半では、まず進行方法の説明を受け、先週の学習日誌に対するコメントや回答をもらう。次に、各グループの発表を行う

授業の後半では、大量のデータ「読む」という観点から、情報過多、ビッグデータ、オープンデータ、データサイエンス、AIの課題等について説明を受け、考察とグループディスカッションを行う。最後に学習日誌を記入する。 
◯ 
グループ作業  <1週目>

[事後学習] 分析・可視化を授業中に完成させることができなかった場合、完成させる。



<2週目>

[事前学習] 「統計で嘘をつく法」についての資料を読んでおく。(参考書: ダレル・ハフ (1968)「統計で嘘をつく法」、講談社)



<3週目>

[事前学習] オープンデータキットのWebサイト(https://opendatakit.org/)を見ておく。

[事後学習] プレゼンの準備を授業中に終えることができなかった場合、終わらせる。



<4週目>

[事後学習]

•21世紀の社会におけるデータの可能性と限界についてのレポートを提出する(締切:約1週間後) 
授業以外での学習にあたって
宿題の結果を題材にして個人演習やグループ討論を進めることがしばしばあるため、宿題を忘れないようにすること(宿題を忘れるとグループの他のメンバーにも迷惑をかけてしまうことを肝に銘じておく)。 
テキスト
特に用いない。必要な内容は授業内で提示する。 
参考書
授業内で紹介する。 
授業資料
一部は九州大学e-learning システム(moodle)やBookRoll に公開する。 
成績評価
評価方法・観点 観点No.1 観点No.2 観点No.3 観点No.4 観点No.5 観点No.6 観点No.7 観点No.8 備考(欠格条件・割合)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
◯ 
◯ 
◯ 
 
 
 
 
 
30% 
 
 
 
◯ 
◯ 
 
 
 
 
20% 
 
◯ 
◯ 
 
◎ 
 
 
 
 
50% 
成績評価基準に関わる補足事項
グループ作業や個人演習を通して、幅広い視野をもって問題を発見する姿勢、問題の解決を目指して学び続ける態度と技能、専門を異にする他者と協働できる能力の涵養を重視する。そのため、出席していてもグループ作業に参加していない者については遅刻と同等に取り扱う。 
ルーブリック
学習相談
担当教員に適宜電子メール等で連絡すること。



連絡先:

石井 祐子: yuko-ishii (at) artsci.kyushu-u.ac.jp

小林 亮介: kobayashi (at) scs.kyushu-u.ac.jp

木實 新一: konomi (at) artsci.kyushu-u.ac.jp 
添付ファイル
overview.pdf 世界を読解する方法の概要
授業担当者の実務経験有無
授業担当者の実務経験内容
その他
グループ討論の形式にどうしてもなじめない学生は早目に担当教員へ申し出てください。 
更新日付 2018-10-25 10:52:04.34


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