シラバス参照

講義科目名 地球流体力学基礎演習第一 
講義題目
授業科目区分 専攻授業科目又は関連授業科目(major courses or related courses) 
開講年度 2017 
開講学期 前期 
曜日時限 前期 水曜日 4時限
必修選択 学府要項を確認のこと。(refer to the Guidelines for IGSES) 
単位数
担当教員

上原 克人

開講学部・学府 総合理工学府 
対象学部等 総合理工学府(IGSES) 
対象学年 修士課程(Master’s Program) 
開講地区 筑紫地区
その他
(自由記述欄)



履修条件
原則として修士1年が対象
This course is intended for first-grade master-course students. 
授業概要
地球流体力学に関する英文教科書の輪講

高低気圧や黒潮の挙動に代表される大気・海洋の物理現象の多くは、地球の自転を考慮に入れた流体(地球流体)の振る舞いとして扱われますが、これらの現象の背後には、運動の時間・空間スケールや空間的非等方性など、いくつかの前提条件が隠されています。例えば、自転に伴う仮想的な力であるコリオリ力の大きさは速度に比例することが知られていますが、高速で移動する新幹線にかかるコリオリ力を意識することは通常ありません。反面、新幹線よりは遅いはずの台風を巡る反時計回りの風を説明する上でコリオリ力の存在は欠くことが出来ません。これら2つの現象にどのような違いがあるのか、その背景を知ることが、大気・海洋の大規模現象を理解する第一歩であると考えます。

前期の演習では、基礎方程式系の導出までの導入部分を英語で読み、地球流体力学の基本的な枠組み(地球流体の特性や前提としている条件、式の成り立ち、など)の修得を目指します。専門的な知識の習得に加え、英語の専門用語や表現になじむことも本演習の目的の一つです。後期の演習(地球流体力学基礎演習第二)では、同じテキストの続きを読む予定です。

今年度使用するテキストは、類似の教科書と比べ、物理現象に関する説明が比較的コンパクトにまとまっている点、並びに近年急速に普及してきた数値計算に関する記述が各章の後半にて展開されている点が特徴です。本演習では物理現象に関する部分のみを扱いますが、後半の数値計算に関しても前半とのつながりが良く、比較的実践的な内容が含まれているため、演習で学ぶ内容を踏まえた上で大気・海洋の数値モデルに関する学習を各自で行うことも可能です。

今年度は、2015年度以前の演習に比べ、地球流体力学の物理的な側面に特化した内容となっています。一般的な流体力学に関する知識があることが望ましいものの、必須ではありません。但し、物理現象や数式を理解しようとする意欲が求められます。 
In this course, students will read a English textbook to master fundamentals of geophysical fluid dynamics (GFDs) which handle large-scale phenomena taken place in ocean and atmosphere. Within this term, students are expected to learn underlying physics and basic assumption used in the primitive equations, a form of Navier-Stokes equation specific to large-scale ocean-atmosphere phenomena. The main target of this course is students who are willing to acquire basic knowledge on GFDs and those who are not familiar with English technical terms on this subject. Background on fluid dynamics is recommended though not compulsory. 
全体の教育目標
・地球流体力学の基本概念と大気・海洋の諸現象の理解
・英文教科書を読解し、大気・海洋関連の英語表現に慣れる 
個別の教育目標
・地球流体力学の枠組みがどのような時間・空間スケールを想定して構築されているのかを理解する
・回転系における基礎方程式系の導出、ならびに各項の意味の説明が出来るようにする 
授業計画
第1回:授業内容説明 (Guidance)
第2回以降:テキストの輪講 (Reading textbook)
Chapter 1: Introduction
Chapter 2: The Coriolis Force
Chapter 3: Equations of Fluid Motion
Chapter 4: Equations Governing Geophysical Flows

状況によっては下記の一部も読む予定
Chapter 5: Diffusive Processes
Chapter 6: Transport and Fate 
キーワード
地球環境、大気、海洋、流体力学 
授業の進め方
セミナー形式
輪読は原則として、1人1段落ずつ内容を発表してもらいます。受講人数にもよりますが、数回に1回発表してもら
う予定です。
発表や議論への参加と並行して、毎回簡単な演習問題(授業を聞いていれば解答できる内容です)を出しますの
で、それを解き、終了時に教員のチェックを受けて下さい。教員による確認をもって、出席と見なします。 
テキスト
Introduction to Geophysical Fluid Dynamics, Physical and Numerical Aspects, Second Edition.
Cushman-Roisin an Reckers, Academic Press, 2011. ISBN978-0-12-088759-0
(1993年刊行のFirst editionではないので注意) 
参考書
関連資料を適宜配布します
授業時には辞書を持ってきて下さい 
学習相談
基本的には9:00-17:00の間、随時受け付けますが、できるだけ事前にメール・電話などで連絡して下さい。 
試験/成績評価の方法等
成績評価は、出席、発表、授業時の質疑応答、および期末レポートを基本とします。詳細は授業開始時に説明しま
す。 
その他
添付ファイル
更新日付 2017-03-31 10:51:04.843


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