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講義科目名 課題協学科目 
科目ナンバリングコード KED-ICL1131J 
講義題目
授業科目区分 課題協学科目 Interdisciplinary Collaborative Learning of Social Issues 
開講年度 2017 
開講学期 後期 
曜日時限 後期 金曜日 3時限
必修選択  
単位数 2.5 
担当教員

斎藤 新悟

開講学部・学府 基幹教育科目 
対象学部等  
対象学年  
開講地区 伊都地区
使用言語 日本語(J) 
使用言語
(自由記述欄)
教室 1302,1303,1403,2403(合同) 
その他
(自由記述欄)
【複数担当教員】加河 茂美 山形 伸二 



授業概要
この科目では専門分野の異なる3名の教員が一つのクラスを担当し、各々異なった視点から、教室テーマに沿い、かつ、グループ学習に適した題材(協学課題)を提供します。授業ではみなさんが協学課題を考えるために必要となる講義に加えて個人演習やグループ作業を実施し、幅広い視野をもって問題を発見する姿勢や問題の解決を目指して学び続ける態度と技能、専門を異にする他者と協働できる能力を養うことを目的としています。 
In this subject, three professors with different areas of expertize take turns in teaching the three classes. Each professor presents cooperation challenges from his or her point of view related to the classroom theme they provide. In addition to listening to a lecture that helps them to understand the cooperation challenges, students do individualized tasks and group works as well. This subject aims to cultivate a positive attitude to discovering problems from a wide perspective, resoluteness and skills to continue learning to solve the problems, and the ability to cooperate with others with different specialties. 
キーワード
環境政策,議論,数学 
授業形態
(項目)
授業形態
(内容)
使用する教材等
履修条件等
特になし 
履修に必要な知識・能力
特にないが、以下のような姿勢で取り組むのが望ましい。
・図書やインターネットを活用して情報を収集する
・他者と協力して建設的に意見を交換する
・さまざまな社会問題に広く関心を持つ 
到達目標
No 観点 詳細
1. A協学課題の理解力  成果物を作成するために、適切に課題の趣旨を理解することができる。 
2. B協学課題の分析力  成果物を作成するために、適切に課題の内容を分析することができる。 
3. C到達解の表現力  成果物を作成するために、適切に自分の考えを表現することができる。 
4. D協働作業への貢献  ・マナーを持ってグループ活動に参加できる。
・他者と協力し、定められた時間を有効に利用して活動できる。 
授業計画
No 進度・内容・行動目標 講義 演習・その他 授業時間外学習
1. 教室テーマは「対立と協力」であり、以下の協学課題、
(1) 環境政策における対立と協力
(2) 議論における対立と協力
(3) 数学における対立と協力
について授業を進めます。 
◯ 
グループ作業   
2. 【環境政策における対立と協力(担当教員:加河茂美)】

 2015年12月に採択されたパリ協定は、世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求すること、適応能力を向上させること、資金の流れを低排出で気候に強靱な発展に向けた道筋に適合させること等によって、気候変動の脅威への世界的な対応を強化することを目的としている(環境省、2017、http://www.env.go.jp/earth/ondanka/cop21_paris/paris_conv-a.pdf)。日本は、アグレッシブな政策をとることを表明しており、2030年度に2013年度比で26%削減するとともに、長期的目標として2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指すとしている(環境省、2017、http://www.env.go.jp/press/102512.html)。その一方で、中国や南米をはじめとした発展途上国が猛烈な勢いで経済成長を成し遂げている状況の中、世界全体の温室効果ガスの排出量は増加傾向にある。各国の自主的な取り組みによって温室効果ガスをどのように削減していくべきなのか、そして経済成長に重きをおく発展途上国の排出量をどのように削減していくべきなのか、など様々な疑問や質問が生じる。経済成長と地球温暖化緩和(すなわちパリ協定に示されるような温室効果ガスの削減目標)は両立するかもしれないし、両立しえないのかもしれない。また先進国と途上国がうまく協力関係(例えば、技術移転、技術の共同開発など)を築くことによって排出量が削減できるかもしれない。こうした国家間の協力関係や対立関係は当該国の経済成長だけでなく、地球温暖化問題にも影響を与える。本講義では、グループ学習を通して、『経済成長と地球温暖化緩和が両立するのか、しえないのか?』という問題に対して定性的、定量的な視点から答えを探ることを目的とする。

【環境政策における対立と協力(担当教員:加河茂美)の授業計画】

*初回からPC必携です。

<第1週(1,2コマ目)>
・グループ編成を行う。
・「経済成長と地球温暖化緩和が両立するのか、両立しないのか?」というテーマについて個人ベースの情報収集
・グループ内での情報集約と肯定側・否定側の立場の決定

<第2週(3,4コマ目)>
・個人ベースでインターネット調査を行い、立論情報の収集
・グループ内で個人ベースの情報の集約を行い、立論情報の整理と立論内容について発表資料作成を行う。

<第3週(5,6コマ目)>
・立論の発表資料(パワーポイント資料)の内容について肯定側から発表を行い、その内容について否定グループ側から尋問を行う。
・次に、否定側の立論の発表を行い、その内容について肯定グループ側から尋問を行う。

<第4週(7,8コマ目)>
・肯定グループからの尋問内容について、否定側の反駁と最終主張のパワーポイント発表を行うとともに、肯定側からの質疑も行う。
・否定グループからの尋問内容について、肯定側の反駁と最終主張のパワーポイント発表を行うとともに、否定側からの質疑も行う。
・『経済成長と地球温暖化緩和が両立するのか、しえないのか?』という問いに対して定性的、定量的な視点から議論のポイントを整理する。 
◯ 
グループ作業   
3. 【議論における対立と協力(担当教員:山形伸二)】

 人生は,不十分な知識や不確かな情報しかない状況での判断の連続です。もしみなさんがただ「自分の判断は正しい」と信じたいなら,見解を異にする他者は,自分の正しさをゆるがそうとする対立者に過ぎません。一方で,もしみなさんが「自分はより正しい判断をしたい」と思うなら,見解を異にする他者は,議論を通じ,みなさんがより妥当な判断に近づくのを助けてくれる協力者となります。あなたにとって,見解を異にする他者は,対立者ですか,協力者ですか?
 本協学課題では,「法と心理学」分野や人間の認知的バイアスについての研究知見,政策ディベートの思考枠組みを参照しながら,「日本は死刑制度を廃止すべきか,存置すべきか」について,グループ討論を通じ,自分自身の見解を獲得することを主要な活動とします。この際,自分自身の初期の立場をいったん離れて,廃止・存置双方の立場について根拠となる資料の収集や立論を作成し議論することで(建設的討論/constructive controversy; Johnson & Johnson, 2007),確証バイアスや直観に囚われない論理的・批判的思考力,他者との生産的議論能力,市民としての政策判断力を涵養することを目標とします。

【議論における対立と協力(担当教員:山形伸二)の授業計画】

*初回からPC必携です。

<第1週(1,2コマ目)>
・4週を通じて取り組む課題や授業の進行方法について,オリエンテーションを行ないます。
・論理的思考や議論の方法について講義を行います。
・インターネットを使ってリサーチしたうえで死刑制度についての自分の考えをまとめ,ベースグループ(4週共通)で議論を行います。

<第2週(3,4コマ目)>
・論証と剽窃について講義を行います。
・存置/廃止いずれかの立場でリサーチを行い,ベースグループで共有します。
・複数のベースグループからひとりずつ集まって新たに外部グループを構成し,各自がベースグループで共有した情報をもとに議論を行います。
・ベースグループにおいて,外部グループでの議論を共有します。

<第3週(5,6コマ目)>
・政策ディベートの思考枠組みについての講義を行います。
・第2週とは反対の立場でリサーチを行い,第2週と同じプロセスを繰り返します。

<第4週(7,8コマ目)>
・人間の記憶のバイアスに関する講義を行います。
・自由な立場でリサーチを行い,レポート作成を進めます。その後,ある程度形になったレポートについて,学生相互に推敲し合います。
・4週通じてのまとめを行います。 
◯ 
グループ作業   
4. 【数学における対立と協力(担当教員:斎藤新悟)】

 将棋や囲碁などの有名なものからニムのようなやや無名なものまで,パズルやゲームの中には数学的思考と親和性の高いものが数多くあります。この授業では,ゲームを数学的に解析して,先手や後手に必勝法があるか,他の参加者と協力して目標を達成するにはどうすればよいか,といった問題を,発見的な過程を重視しつつ考えていきます。

【数学における対立と協力(担当教員:斎藤新悟)の授業計画】

<第1週(1,2コマ目)>
・協学課題の概要説明
・三山くずしの必勝法

<第2週(3,4コマ目)>
・ニムの必勝法
・いろいろな石取りゲーム

<第3週(5,6コマ目)>
・石取りゲームの作成
・チョンプ

<第4週(7,8コマ目)>
・帽子パズル
・教場レポート 
◯ 
グループ作業   
授業以外での学習にあたって
宿題の結果を題材にして個人演習やグループ討論を進めることがしばしばあるため、宿題を忘れないようにすること(宿題を忘れるとグループの他のメンバーにも迷惑をかけてしまうことを肝に銘じておく)。 
テキスト
参考書
授業資料
成績評価
評価方法・観点 観点No.1 観点No.2 観点No.3 観点No.4 観点No.5 観点No.6 観点No.7 観点No.8 備考(欠格条件・割合)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
◯ 
◯ 
◯ 
 
 
 
 
 
30% 
 
 
 
◯ 
◯ 
 
 
 
 
20% 
 
◯ 
◯ 
 
◎ 
 
 
 
 
50% 
成績評価基準に関わる補足事項
ルーブリック
学習相談
担当教員に適宜電子メール等で連絡すること。 
添付ファイル
授業担当者の実務経験有無
授業担当者の実務経験内容
その他
グループ討論の形式にどうしてもなじめない学生は早目に担当教員へ申し出てください。 
更新日付 2017-09-27 17:08:33.745


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