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講義科目名 聴覚心理学 
科目ナンバリングコード DES-ACD2241W 
講義題目
聴覚心理学 
授業科目区分 専攻教育科目 Specialized Education 
開講年度 2016 
開講学期 後期後半 
曜日時限 後期後半 月曜日 4時限
後期後半 金曜日 2時限
必修選択 必修 Required 
単位数 2.0 
担当教員

中島 祥好

上田 和夫

開講学部・学府 芸術工学部 
対象学部等 芸術工学部 音響設計学科 Department of Acoustic Design 
対象学年 学部2年 Undergraduate second grade 
開講地区 大橋地区
使用言語 英語及び日本語を併用(E/J) 
使用言語
(自由記述欄)
教室  
その他
(自由記述欄)



授業概要
 「音が聴こえる」と言う体験を,知覚心理学の立場から分析し,人間と音との関わりに対する科学的な理解を深める。音の物理的な性質と主観的な性質とがどのように関係づけられるのかを,生理学的な知見をも踏まえて概観し,我々が,たくさんの音の中から必要な音だけを聴きとったり,音と音との関係を即座に把握したりするのは,どのような仕組みによっているのかを考察する。実験結果,聴覚デモンストレーションを紹介することに多くの時間を割く。
 大部分の授業期間を費やして,聴覚の基本的な性質について,古典的な研究成果を中心として概説する。最後に,最新の動向を中心として,生物としての人間が,環境に適応するため,また音声を知覚するためにどのような情報処理を行い,不完全な情報から意味のある知覚世界を作りあげるのかを論ずる。 
Our everyday experience to hear sound will be analyzed from the viewpoint of perceptual psychology, and insights into the relationship between humans and sounds will be developed. An overview of psychophysical and physiological aspects of hearing will be given, and this will be followed by topics related to auditory organization.

Most of the time will be spent for fundamental and classic topics in auditory psychology. Recent topics, however, will be taken up on how humans utilize sounds in order to adapt to the environment, and in order to communicate with one another. It is of our particular interest to examine how humans are able to construct vivid perceptual worlds from incomplete portions of acoustic information. 
キーワード
聴覚,音,音声,空間,時間,心理学,物理学,神経生理学,知覚心理学,聴覚生理学,音の大きさ,臨界帯域,音の高さ,体制化 
授業形態
(項目)
授業形態
(内容)
使用する教材等
履修条件等
 受講者が,「知覚心理学」,「聴覚生理学」の内容に通じていることを前提にして授業を進める。これらの科目を履修していない場合には,最低限テキストの第 1-5 章を理解した上で第1回の授業に臨んでいただきたい。 
履修に必要な知識・能力
 高校程度の物理,数学(特に三角関数)の知識を確実にしておくこと。また,簡単な楽譜を読めるようにしておくこと。 
到達目標
No 観点 詳細
1. 音の物理的な性質と主観的な性質との関係  「音が聴こえる」と言う体験を,知覚心理学の立場から分析し,人間と音との関わりに対する科学的な理解を深める。音の物理的な性質と主観的な性質とがどのように関係づけられるのかを,生理学的な知見をも踏まえて理解する。 
2. 聴覚の基本的な性質  古典的な研究成果を中心として理解する。 
3. 音の体制化  我々が,たくさんの音の中から必要な音だけを聴きとったり,音と音との関係を即座に把握したりするのは,どのような仕組みによっているのかを理解する。 
4. 環境への適応と音声知覚  不完全な情報から意味のある知覚世界を作りあげる脳の働きを理解する。 
授業計画
No 進度・内容・行動目標 講義 演習・その他 授業時間外学習
1. 授業計画の概観。授業の方針,計画を説明する。(中島・上田) 
◯ 
   
2. 聴覚系の機能,構造と聴覚心理学。聴覚末梢系および中枢系の機能,構造と聴覚心理学との関わりについて論ずる。(上田) 
◯ 
   
3. 周波数選択性。聴覚末梢系における周波数選択性と聴覚心理学との関わりについて論ずる。(上田) 
◯ 
   
4. 音の大きさと臨界帯域。耳に聴こえる音は,その主観的な強さである「音の大きさ」を有している。音の物理的な性質から,音の大きさを予測する方法について紹介し,関連する話題として「臨界帯域説」に触れる。(中島) 
◯ 
   
5. 音の高さ。音の高さは,音声,音楽,対象の認知において重要な役割を果たす。すべての音の基本となる純音,および純音が組み合わされた複合音における音の高さの知覚について,聴覚末梢系での符号化と脳による分析の結果としての知覚という観点から論ずる。中間試験(持ち込み不可)を実施する。(上田) 
◯ 
   
6. 聴覚と時間。聴覚において時間はどのように知覚され,または知覚されないかを考察する。(中島) 
◯ 
   
7. 聴覚体制化。我々の体験する音の世界に,時間方向のつながりである「音脈」と,時間上の形である「リズム」とが,どのように形成されるのかについて,考察する。(中島) 
◯ 
   
8. 空間知覚。両耳聴における空間知覚および音源方向の知覚手がかりについて論ずる。(上田) 
◯ 
   
9. 音声知覚。音声はヒトの情報伝達の手段として重要であるだけでなく,カテゴリー知覚という,ヒトの対象認知のメカニズムと関わる重要な特徴を持つ。音声の特徴と音声知覚との関係について論ずる。(上田) 
◯ 
   
10. まとめの質疑応答。(中島・上田) 
◯ 
   
授業以外での学習にあたって
 授業進行予定表を参考にして,各自で復習の計画を立てること。試験前の復習は,試験の1, 2週間前には開始すること。試験の直前になって生半可な知識を理解しないままに頭に詰め込もうとすることは,諸君の頭脳にとって有害である。復習を意味あるものにするためには,内容をじっくり理解し,理解が不充分な箇所について調べたり友人と討論したり,関連する項目とのつながりを吟味するための時間が必要である。自分で問題を作り,解答してみることも有効である。また,試験前の復習を効率的に行うためには,毎回の授業直後にノートを整理しておく必要がある。日常的に行う復習の一つとして,授業の直前に,整理したノートをさっと5分程度ながめて前回の授業内容を思いだすことが,次の授業内容の理解に大変役に立つ。英語の勉強をかねて,指定のテキストに挑戦して欲しい。 
テキスト
 Plack, C. J. (2014). The Sense of Hearing, Second Edition, New York: Psychology Press (ISBN: 978-1-84872-515-7) をテキストとして使用する。講義中に用いるので,各自購入し,必ず持参すること。 
参考書
 資料として,A. J. M. Houtsma ほか制作「Auditory Demonstrations(CD+説明)」(米国音響学会) が好評である。また,大学における勉強方法全体の参考書として,以下のものをあげておくので,参考にしていただきたい。これらは複数冊,図書館にも配架されている。
コーンハウザー, A. W. (1995). 大学で勉強する方法 (山口栄一訳). 東京: 玉川大学出版部.
中島祥好,上田和夫 (2005). 大学生の勉強マニュアル:フクロウ大学へようこそ,京都:ナカニシヤ出版. 
授業資料
成績評価
評価方法・観点 観点No.1 観点No.2 観点No.3 観点No.4 観点No.5 観点No.6 観点No.7 観点No.8 備考(欠格条件・割合)
 
◎ 
◎ 
◎ 
◎ 
 
 
 
 
 
 
◎ 
◎ 
 
 
 
 
 
 
 
成績評価基準に関わる補足事項
中間試験を1回,さらに期末試験を実施し,それらの結果により,成績を判定する。中間試験はそれまでの授業範囲を試験範囲とする。期末試験は学期全体の授業範囲を試験範囲とする。試験時には,筆記具以外の持ち込みを禁ずる。担当教員ごとに成績評価を行い,合計点を最終成績とする。試験の日程は予告する。やむを得ない事情により,試験を受験できなかった場合には,2~3日以内に担当教員に欠席理由を記した文書(正式な診断書等であることが望ましい)をそえて届け出ること。正当な理由による欠席と認められれば,口頭試験を受験することができる(持ち込み不可)。なお,インフルエンザに罹患した場合の措置については,学務課学生係からの指示に従うこと。 
ルーブリック
学習相談
随時,相談に応ずる。 
添付ファイル
授業担当者の実務経験有無
授業担当者の実務経験内容
その他
参考ホームページ
http://www.design.kyushu-u.ac.jp/~ynhome/
http://www.design.kyushu- u.ac.jp/~ueda/ 
更新日付 2016-04-01 15:34:35.908


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