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講義科目名 室内音響学 
科目ナンバリングコード DES-ACD3511J 
講義題目
授業科目区分 専攻教育科目 Specialized Education 
開講年度 2016 
開講学期 前期後半 
曜日時限 前期後半 月曜日 4時限
前期後半 月曜日 5時限
必修選択 選択 Elective 
単位数 2.0 
担当教員

尾本 章

開講学部・学府 芸術工学部 
対象学部等 芸術工学部 音響設計学科 Department of Acoustic Design 
対象学年 学部3年 Undergraduate third grade 
開講地区 大橋地区
使用言語 日本語(J) 
使用言語
(自由記述欄)
教室  
その他
(自由記述欄)



授業概要
室内で人が音を聴くという行為は極めて日常的であるが,人は室の境界のあり方と音の聴こえの関係についてあまり注意しない。この授業では室の境界がその中で聴く音の質にどのような影響を与えるのか,また境界をどのようにすれば質の良い音を聴くことが出来るのかを講義し,室内音響設計・制御に関する技術を習得させる。ギリシャ時代に端を発する室内音響への問題意識は,20 世紀初頭に学問としての道を歩み始めた。この問題意識は現代においても消えるものではなく,情報伝達法の技術的発展に伴いさらに盛んになっている。授業では対象としての音場の特異現象を解説し,それらの現象を生じさせないための手法を学ぶ。そのためには音場を物理的に把握する必要があり,その手法としての音場解析法に時間を割く。また,あわせて具体的に室内音場を制御するための音響材料に関しても講義を行なう。続いて解析によって得られた物理的な指標と心理的な評価との対応関係を考察する。この対応関係は,より良い心理評価を得るための室境界における物理的条件の設計手法を示してくれる。授業ではこれら一連の流れが修得できるように配慮されている。 
キーワード
幾何音響理論,統計音響理論,波動音響理論,音響物理指標 
授業形態
(項目)
授業形態
(内容)
使用する教材等
履修条件等
音響理論演習I, IIの授業内容を十分理解しておいてほしい。 
履修に必要な知識・能力
到達目標
No 観点 詳細
1. 空間の響きの予測  室内の響きを構成する反射音に関して,これを予測する方法,評価する方法,制御する方法について基礎的な知識を得ることが目標である。なお,講義において示すことのできる内容はあくまでも入り口である。受講後に,各種シミュレーション手法や解析的な内容に関して実際にプログラミングなどによって実現可能になることが望ましい。 
授業計画
No 進度・内容・行動目標 講義 演習・その他 授業時間外学習
1. ◯室内音響学概説:音響学の諸分野や他の学問分野と室内音響学との関連を概観し,その位置づけを明確にしながら,建築物と音響学との関わり合いとしての室内音響学について概説する。 
◯ 
   
2. ◯室内音響学小史:建築物における音の問題は古来より議論されており,室内音響の問題は歴史が比較的古いものである。その流れを小史としてまとめて講義する。 
◯ 
   
3. ◯室内音場の特異現象:室内における音場は室形,仕上げ材料などにより大きく変化する。特にそれらがある条件を満たすと好ましくない音場を構成してしまう。それらの条件と特異現象の関係を述べ,室内音響学の意味について講義する。 
◯ 
   
4. ◯幾何音響理論:特異現象を取り除き,好ましい音場を構成するための解析手法として,音波の波長が非常に短い場合に適用可能な,幾何音響理論的解析手法について解説する。 
◯ 
   
5. ◯統計音響理論:上記の幾何音響理論では非常に繁雑になる現象を統計的に取り扱い,単純な特徴量として表現する解析手法について紹介する。はじめには,音場の響きを表現する量である残響時間と室の諸物理量との関係を考察する。また,室内の響きを調整するために用いられる吸音材料の特徴量である吸音率の定義,種類,その測定法について説明することを通じて,室内音響学における吸音材料と音場の関係を明らかにする。更に音場の定常状態における音圧レベル分布の解析法,複数の空間の間の音響エネルギーのやりとりを表す結合室の考え方を紹介する。また残響時間の測定法についても講義する。 
◯ 
   
6. ◯波動音響理論:音波は本来波動であるので,基本的に音場の解析は波動音響理論による。音場を支配する波動方程式を用いて解析を行う場合の境界条件の考慮の方法を説明しながら,簡単な条件下での音場解析法を講義する。また音場を直方体空間に限定して解析例を紹介し,室内に生じる固有モードの種類,及び数を算出する方法を述べる。また,その結果から室内音場の特徴を解釈する考え方について講義する。 
◯ 
   
7. ◯音響材料概説:所望の室内音場を構成するためには,外界との音の遮断,そして室内での響きの調整が必要である。それには建築材料としての遮音材料,吸音材料が用いられる。それらについての基本的な音響的特徴を紹介する。特に,室の響きの調整に欠くことのできない吸音材料の吸音機構の分類,特性について紹介する。またそれらを実際に利用するに当たっての材料選択と施工上の注意点についても講義する。 
◯ 
   
8. ◯音場の物理指標と心理評価:室内音場の善し悪しは残響時間などの物理的指標で決まるわけではなく,やはり人が聴いて判断するものである。ここでは音響設計の指標となる物理指標と人の心理的評価との関係についての基本を講義する。音場の物理指標と心理評価の関係については,従来より数多くの研究結果がある。それらの結果を歴史的に紹介しながら,室内音響設計の考え方について講義する。 
◯ 
   
9. ◯まとめ:本講義の全体についてのまとめを行う。 
◯ 
   
授業以外での学習にあたって
テキスト
授業開始時に指示する。 
参考書
L. Cremer et al., Principles and Applications of Room Acoustics (Appl. Science Pub., 1978)
前川純一 他,「建築・環境音響学」(共立出版, 2000)
ハインリッヒ・クットルフ著,藤原恭司,日高孝之訳,「室内音響学」(市ヶ谷出版社,2003) 
授業資料
成績評価
評価方法・観点 観点No.1 観点No.2 観点No.3 観点No.4 観点No.5 観点No.6 観点No.7 観点No.8 備考(欠格条件・割合)
 
◎ 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
◯ 
 
 
 
 
 
 
 
 
成績評価基準に関わる補足事項
ルーブリック
学習相談
添付ファイル
授業担当者の実務経験有無
授業担当者の実務経験内容
その他
基本的に講義形式である。必要に応じて演習などを導入する予定である。 
更新日付 2016-04-11 10:26:26.345


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