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講義科目名 音楽学 
科目ナンバリングコード DES-ACD3311J 
講義題目
授業科目区分 専攻教育科目 Specialized Education 
開講年度 2016 
開講学期 前期前半 
曜日時限 前期前半 月曜日 4時限
前期前半 月曜日 5時限
必修選択 選択 Elective 
単位数 2.0 
担当教員

矢向 正人

開講学部・学府 芸術工学部 
対象学部等 芸術工学部 音響設計学科 Department of Acoustic Design 
対象学年 学部3年 Undergraduate third grade 
開講地区 大橋地区
使用言語 日本語(J) 
使用言語
(自由記述欄)
教室  
その他
(自由記述欄)



授業概要
今日の音楽学は方法論において多様な広がりを見せている。一方では,情報科学の進歩に呼応して新しい楽曲分析理論がいくつも考案され音楽理論の新領域が形成されつつある。その一方,文化多元主義の考え方が浸潤することにより民族音楽や伝統音楽の研究も盛んに行われている。また,音楽データベースの拡充に伴って音楽研究は豊富なデータにもとづいて客観的に行われるようになっている。こうして,今日ではさまざまな音楽を同一の地平で多角的かつ客観的に研究しうる環境が整えられている。
授業では,記譜法の歴史,音楽データベース論,旋律パターン論,演奏分析の方法,楽曲の階層構造論,心理学的音楽理論,記号論によるモデルなどを講義と実習をとおして学ぶ。また,民族音楽学と音楽美学の新しい傾向についても学ぶ。 
キーワード
音楽学 民族音楽学 記譜法 データベース 旋律パターン 音楽理論 生成文法 
授業形態
(項目)
授業形態
(内容)
使用する教材等
履修条件等
音文化論演習、西洋音楽史、音楽構造基礎演習、比較音楽理論の授業内容に習熟していることが望ましい。 
履修に必要な知識・能力
履修条件に同じ 
到達目標
No 観点 詳細
1. 知識・理解  音楽に対するさまざまな研究方法を学ぶ 
2. B:専門的技能   
3. C:汎用的技能   
4. D:態度・志向性   
授業計画
No 進度・内容・行動目標 講義 演習・その他 授業時間外学習
1. 記譜法1
伝統的な音楽では五線譜法以外にもさまざまな記譜法が用いられている。まず、雅楽、声明、能、琵琶楽、三味線楽など日本の記譜法を学び、これらの記譜法が、種目の特徴にあわせて作られていることを知る。 
◯ 
  復習 
2. 記譜法2
アジアの記譜法を中心に学ぶ。中国の工尺譜、減字譜、韓国の井間譜、チベット声明の楽譜などを解説する。また、敦煌琵琶譜やユダヤ聖歌の記譜法など未解読譜について学び、訳譜を実習する。 
◯ 
  復習 
3. 音楽データベース
楽譜情報のデータベースが組織的に作られることで,音楽研究は飛躍的に進歩することになる。EsAC, KERN, MuseData, SMDL, また,日本の伝統音楽のためのデータ形式を知り,楽譜情報の標準化について学ぶ。 
◯ 
  復習 
4. 旋律パターンの分類
旋律パターンは楽曲の中で明示的でなく文脈依存的である。よって,パターンの抽出と分類には相応の工夫が要求される。データベースを用いた旋律パターンの類似性評価と分類のさまざまな手法を学ぶ。 
◯ 
  復習 
5. 計量音楽学
ローマックスの「計量音楽学」は,諸文化の民俗的歌唱様式を分類し,それを文化的特性と対応づけた。その分類と対応づけの方法はその後の民族音楽学に大きな影響を与えた。 
◯ 
  復習 
6. 演奏の分析1
近年では、20世紀に録音された歴史的演奏自体を研究対象とする音楽研究が増えている。統計解析的手法が使われることもあり、音楽研究の裾野は着実に広がっている。まず、ピアノの歴史的演奏の分析例を検討する。 
◯ 
  復習 
7. 演奏の分析2
ピアノ以外の楽器と管弦楽の歴史的演奏の分析例を検討し、音楽史研究とこれらの研究とがどう補いあうのかについて述べる。20世紀の演奏史はこうして書きかえられつつある。 
◯ 
  復習 
8. シェンカーの旋律簡約法
シェンカーは,楽曲の階層構造の分析の枠組みを示した。それは,調性のみならず無調の音楽から民族音楽まで応用範囲を持つ。「基本構造」「基本線」「延長」「簡約」の考え方,楽曲を3層で捉える方法を学び実習する。 
◯ 
  復習 
9. 生成文法派の音楽理論
レアダールとジャッケンドフによる「調性音楽の生成理論」は,シェンカーの階層理論を展開し,さらに,チョムスキーの生成文法の方法を導入した今日もっとも影響力を持つ音楽理論であり,実装も試みられている。 
◯ 
  復習 
10. マイヤーの意味と情動の理論
アメリカ音楽理論の礎を築いたマイヤーの音楽論を学ぶ。傾向性・禁止の情動のモデル。仮説的意味・明示的意味・確定的意味による音楽の意味のモデル,詩脚法に基づくリズムの分析法について学び実習する。 
◯ 
  復習 
11. 暗意=実現モデル
旋律の予期に関するナームアの暗意=実現モデルを学ぶ。それは連続する3音の窓とクロージャーの設定により,旋律のアーキタイプを8つに分類する汎様式的モデルで,ゲシタルト心理学の考え方も取り入れられている。 
◯ 
  復習 
12. 記号論による音楽モデル
ナティエの記号論によるモデルは,楽曲分析において柔軟なシンボル的操作を可能にする。この他,授業では,ナティエのコミュニケーション・モデルと,リドフやヴォーの記号論的分析についても講ずる。 
◯ 
  復習 
13. 現代の民族音楽学
ゼンプ,フェルドらによる民族誌的研究の影響の下に,民族音楽学は新しい局面を迎えた。現代の民族音楽学は,音楽をめぐる言説と概念化の記述方法に新たな展開を見せている。 
◯ 
  復習 
14. 現代の音楽美学
グッドマン,コーカーらの形式主義的音楽美学を軸に,アドルノの音楽美学,ブルレの音楽的時間論,リッサの引用論,ゴドロヴィチの演奏論など現代の音楽美学の主潮流を学ぶ。 
◯ 
  復習 
授業以外での学習にあたって
授業時間内に適宜指示する。 
テキスト
授業時間内に適宜指示する。 
参考書
授業時間内に適宜指示する。 
授業資料
授業時間内にプリント等を配布する。 
成績評価
評価方法・観点 観点No.1 観点No.2 観点No.3 観点No.4 観点No.5 観点No.6 観点No.7 観点No.8 備考(欠格条件・割合)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
◎ 
 
 
 
 
 
 
 
70 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
◎ 
 
 
 
 
 
 
 
30 
 
◯ 
 
 
 
 
 
 
 
 
成績評価基準に関わる補足事項
ノート提出を課す場合がある。 
ルーブリック
学習相談
授業終了後に質問の時間を設ける。また、随時受け付ける。 
添付ファイル
授業担当者の実務経験有無
授業担当者の実務経験内容
その他
授業には必ず出席すること。五線紙を用意しておくこと。授業をよく聞きノートをとり授業後に復習すること。不明な箇所があれば積極的に質問すること。 
更新日付 2016-04-01 15:53:40.944


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