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授業科目の概要

科目名称 女性学・男性学 
講義題目
社会のなかのジェンダー 
科目ナンバリング・コード KED-GES1116J 
担当教員

野々村 淑子

更新日付 2024-04-11 07:51:10.434
授業科目区分 総合科目 
学部カテゴリ 基幹教育科目 
使用言語 日本語(J) 
対象学部等  
対象学年 全学年 
必修選択  
単位数
開講年度 2024 
開講学期 前期 
曜日時限 前期 水曜日 4時限
教室  
開講地区 伊都地区
授業科目に関する特筆事項
オンライン授業、対面授業、両方の形式になります。
各回ごとに、どちらの形式か書いてありますので、必ず確認してください。
(Moodleにも記載します。)

※H29~R5年度入学者で「女性学・男性学Ⅰ/Ⅱ」を両方修得済の者は履修できません。

第一回目は、対面(2407教室)で行います。

履修希望者は、「必ず」「事前受講申請」を行ってください。
(詳細は、基幹教育教務係から連絡があります。不明は場合は、当係に尋ねてください。)

履修希望人数によっては、抽選になる場合があります。


受講生は、「必ず」下記のMoodleのコースに登録してください。
受講にあたっての指示などは、そちらに提示します。


https://moodle.s.kyushu-u.ac.jp/course/view.php?id=55431


【注意!】残念ながら抽選に漏れた場合は、必ずご自身で履修登録の取消手続きを行ってください。教員からの履修取消はシステム上できません。 



授業科目の目的・目標・履修条件について

授業科目の目的(日本語)
本講義は,両性がよりよく共生しうる社会を担うために,既存の社会や学問に遍在するさまざまな性差にかかわる既成概念や課題についての洞察力を養うことを目的とする。福祉や労働、子育てなど生活の場における性差をめぐる問題から、文化や表現における性差、また、それら性による差異の論拠とされてきた性に関する科学そのものの政治性やその歴史、イエ制度を含む家族についての政治や歴史など、様々な視角から性差の問題をとらえる。 
授業科目の目的(英語)
The aim of this course to help students know the various problems and phenomenon in the present ‘gender equal society’, and acquire the ability of critical thinking about them. The lecturers of this class speak important themes from the perspectives and methods of each disciplines, including the many assumptions of ‘gender’ embedded in the society and academic disciplines. 
キーワード
女性、男性、性差、ジェンダー、セクシュアリティ 
履修条件
授業概要に記載された内容、授業各回のテーマについて、講義をもとに深く考察し、それを表現する意欲を持っていること。 
学位プログラムの学修目標 授業科目の到達目標(評価の観点)
1KED-GES20:A-1. (主体的な学び)深い専門的知識と豊かな教養を背景とし、自ら問題を見出し、創造的・批判的に吟味・検討することができる。
1KED-GES20:A-2. (協働)多様な知の交流を行い、他者と協働し問題解決にあたることができる。 
 
   

※学修目標と授業科目の結びつきの強さ

カリキュラム・マップ  
ルーブリック

授業科目の実施方法について

授業の方法
講義
教授・学習法
一方向性の知識伝達型の教授・学習法
遠隔授業
対面授業の形で実施する
遠隔授業の形で実施する
Moodleコース情報
コース設定あり
Moodleトップ画面(https://moodle.s.kyushu-u.ac.jp/course/index.php)
使用する教材
教科書・参考書・印刷資料
スライド資料
映像・音声資料(字幕なし)
教材の配布方法
Moodle/B QUBE
テキスト
適宜配布する。 
参考書等
適宜紹介する。
適宜配付する。 
授業計画 授業計画は予定であり、学びの進捗に合わせて変更することがあります。
1単位あたりの学修時間(45時間)の内訳(目安)
(講義・演習の場合)授業内学修15時間、事前・事後学修30時間
(実験、実習および実技の場合)授業内学修30~45時間、事前・事後学修0~15時間
授業のテーマ 授業の内容(90分授業=2時間) 事前/事後学修の内容
1 対面
「オリエンテーション」
野々村淑子
「ジェンダー研究、セクシュアリティ研究とは何か」
井上智史 
「オリエンテーション」
履修について説明します。

「ジェンダー研究、セクシュアリティ研究とは何か」
ジェンダーの概念は1970年代に社会科学を中心に学術用語として広く定着し、以来、ジェンダー研究は様々な学問領域において、領域横断的に展開してきた。言い換えれば、今日、ジェンダーに関する視点はあらゆる学問領域において欠かすことのできないものになっている。第1回講義ではジェンダーという概念やジェンダー研究の歩みについて学ぶ。また、人間の性のあり方を総体的に捉えるセクシュアリティの概念について確認し、セクシュアリティ研究の意義について学ぶ。 
事前…アップロードされた資料を読み、疑問点などを整理しておく。
事後…授業内容を復習、推奨文献、資料等を自主的に探究、アクセスしてみましょう。コメントに対するフォローアップを熟読し、考察を深めましょう。 
2 対面
「心理学からみるジェンダー」
立脇洋介 
私たちの社会では、様々な女性と男性がいるにもかかわらず、女らしさや男らしさなどの「ジェンダー・ステレオタイプ」が根強く存在します。人々が「女らしさ」や「男らしさ」をどのようにとらえ、「ジェンダー・ステレオタイプ」がなぜ維持されやすいのかを説明します。  同上 
3 対面
「九州大学の歴史と女子学生」
佐喜本愛 
現在の大学は、男女関係なく学ぶことができます。しかし、戦前の日本の大学は、旧制高校を卒業した男子学生のための学校であり、正規の学生身分で女性が大学に入学することは考えられていませんでした。そんな中、その「常識」を破って九州大学で学んだ女子学生たちがいました。本講義では、九州大学の女子学生が誕生したその経緯を分析し、その意義について考察していきます。  同上 
4 対面
「児童文学、ポップカルチャーをめぐる女性学・男性学」
谷口秀子 
『シンデレラ』などのおとぎ話、子どものための本、漫画、アニメなどには、ステレオタイプ的な女性像・男性像が多く見られます。一方、近年一部には、ステレオタイプ化されていない女性像・男性像を提示しようとする動きもあります。本講義では、子どもやヤングアダルト向けの作品に見られるジェンダーとジェンダーを排除しようとする作品の試みについて概観します。  同上 
5 対面
「女性労働の現状と歴史Ⅰ-夫婦共稼ぎの坑内労働~炭鉱の労働過程-」
野依智子 
女性労働の現状を統計データから把握し、そのメカニズムは男性稼ぎ主による家族賃金体系と社会保障制度にあることを知る。家族賃金観念については、炭鉱の労働過程・生活過程に着目して、その成立過程を明らかにする。
本講義の1回目は、世界記憶遺産でもある山本作兵衛の炭鉱画から、炭鉱の労働過程について分析する。 
同上 
6 対面
「女性労働の現状と歴史Ⅱ-女性労働力の確保と坑内保育所~炭鉱の生活過程」
野依智子 
本講義の2回目は炭鉱の生活過程として、女性労働力確保のために炭鉱が設置した坑内保育所の成立・発展・廃止過程を跡づけながら、夫婦共稼ぎという労働形態が一般的であったことを学ぶ。  同上 
7 対面
「女性労働の現状と歴史Ⅲ-機械化と「家族賃金」-」
野依智子 
本講義の3回目は、坑内労働の機械化によって女性労働が解雇される中で、男性稼ぎ主による家族賃金という観念が登場したことを史料から分析する。
本講義を通して、「男は仕事、女は家庭」という性別役割分担意識を問い直す。 
同上 
8 対面
「男性同盟とホモソーシャリティ」
福元圭太  
アメリカの英文学者セジウィックの「ホモソーシャリティ」の概念を導きの糸として、ドイツにおける男性同盟の消息を追います。対象となる期間は20世紀初頭からナチズムまで。「なぜおやじたちは徒党を組んで女性を周縁化するのか」という極めてアクチュアルな問題について、100年前のドイツを舞台に考えてみましょう。  同上 
9 オンライン
「教育とジェンダーⅠ」
中島ゆり 
私たちは自分の努力で学力が決まり、自分や家族の意志で進路を決めているものと考える傾向にありますが、実は学力も進路も人びとのこうすべきという規範と(学校)教育におけるさまざまな実践のなかで水路付けられています。この授業では学力と意欲がいかにジェンダー化されているかについて学びます。  同上 
10 オンライン
「教育とジェンダーⅡ」
中島ゆり 
ジェンダー化された進路は、すでにジェンダー化された労働市場に大きく影響を与えられています。本授業は、ジェンダー化された労働市場について学び、そこから進路をジェンダーによっていかに水路付けてしまっているかを考えます。  同上 
11 対面
「平和とジェンダー」
木下直子 
平和を実現するには、かつての戦争における人びとの経験や現在どのように安全が脅かされているかなどを直視する必要があります。これらをジェンダーの観点で考察すると、女性に対する暴力の深刻な実態が浮かび上がります。この授業では、いわゆる「慰安婦」問題を取り上げ、日本社会の性差別や娼婦差別、レイシズムの問題が、平和の実現を阻んでいる様相について分析します。  同上 
12 対面
「LGBTQ:性をめぐる科学・政治・表現」
中村美亜 
近年、「LGBT」(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィア/クエスチョニング)と呼ばれるセクシュアル・マイノリティは、同性婚やパートナーシップ制度、企業のダイバーシティーなどで話題となり、メディアでも好意的に取り上げられるようになった。しかし、性やアイデンティティに関する社会の理解はまだ十分とは言えない。本講義では、性をめぐる科学と政治・表現について理解を深めながら、未来志向の人間関係を展望する。  同上 
13 対面
「ケアをめぐるジェンダー問題を考える」
山下亜紀子 
これまでのジェンダー平等を求める動きは、特に労働の場を中心とする公的領域において議論されてきました。この授業では、置き去りにされてきた私的領域のジェンダー問題を考えます。特にケアをめぐる問題にアプローチし、国内外の実態を概観するとともに、ケアに関する近年の学説を通じて、この問題の考察を行います。  同上 
14 対面
「戦争とジェンダー」
今井宏昌 
今から約80年前に終結した第二次世界大戦の戦場では、性暴力をはじめとする様々な形の性的コンタクトが存在していました。歴史学の分野において、この問題に関する研究をリードしてきたのは、日本を含む東アジアの学界です。そこでは「慰安婦」論争を軸とする形で、「戦場の性」に関する実証研究の蓄積と方法論の確立がなされました。そして21世紀に入ると、これらの成果が欧米の学界にも波及し、2010年代には「戦場の性」をめぐる比較史の構築が目指されることになります。この授業では、日本と同じ枢軸国であり敗戦国であるドイツを事例に、第二次世界大戦下における「戦場の性」の問題を紐解いていき、さらにはそこで生じた議論を東アジアの議論とどのようにつなげてゆけるのかを考えてみたいと思います。  同上 
15 対面
「社会学は性的マイノリティをどのように捉えてきたのか」
井上智史 
この授業では社会学の分野において性的マイノリティを対象とする研究がどのように展開されてきたのかについて学び、今後の研究において求められる視点について考える。同性愛、性別越境をスティグマとして捉え、彼らのアイデンティティの抑圧に注目する研究や、抑圧されたアイデンティティの解放に注目する研究について解説をした後に、「脆弱性」の概念を糸口に新たな研究の視点を展望する。  同上 
備考
この科目はEU研究ディプロマプログラム(EU-DPs)指定科目です。
同プログラムについて、詳しくは以下のサイトをご参照ください。
http://eu.kyushu-u.ac.jp/indexjp.html 

授業科目の成績評価の方法について

小テスト
毎時間後のミニッツペーパーを提出内容 
レポート
期末レポートがあります。(詳細は下記備考を参照) 
出席
毎時間後のミニッツペーパーの提出状況 
備考
●評価について

1.毎回のミニッツカード(Google Form形式での授業内容理解チェック)
毎時間、ミニッツカード(Google Form形式)にて授業内容を理解しているかどうかチェックします。
  ※ 締切時間
    オンライン(オンデマンド)の場合は、その日の24時まで。
    対面・オンライン(リアルタイム)の場合は、先生の指示に従ってください。
    指示がなかった場合は、その日の24時まで。

2.期末レポート
 全員の教員から1つずつだされるレポート課題(下記参照)のうち、前半(8回)で1つ、後半(9回~15回)で1つを選び期日までに提出してください。 どの課題を選んだとしても、それぞれ、他の授業内容を踏まえ言及してください。

《課題・期日・提出先》
 前半(第2回から第8回まで)の5人、後半(第9回から第15回)の6人の教員が、それぞれ1つずつのレポート課題を講義中に提示します。
  (井上先生は第15回のほうで、第1回の内容と併せて課題を出されます。)
 前半のレポートは、6月19日(水)24時までに、後半のレポートは8月7日(水)24時までにMoodle上の所定の欄に提出してください。
 締切厳守のこと。遅れた場合は受け付けません。

《形式》
 レポートの形式については、Word、PDFいずれでも可。    
 学部、学年、学生番号、氏名、選んだ教員名・課題を必ず明記の上、Moodle上の所定の欄にアップロードしてください。
 分量は、原則800字~1000字程度を基準とする。

4.評価方法
各回のミニッツカードと期末レポートの評価点を勘案し、総合的に評価します。 

授業科目に関する学習相談について

担当教員による学習相談
随時受け付けます。
nonomura.toshiko.868@m.kyushu-u.ac.jp 
合理的配慮について
障害(難病・慢性疾患含む)があり、通常の方法による授業を受けることが困難な場合には、教育目的の本質的な変更など過重な負担を伴わない限り、合理的配慮を受けることができます。合理的配慮とは、教授・学習法の変更、成績評価の方法の変更、授業情報の保障(資料の字幕化、個別の資料配布、録音・撮影の許可)、受講環境の調整などを指します。実際の方法については担当教員と建設的対話を行った上で決定されます。
<相談窓口> キャンパスライフ・健康支援センター インクルージョン支援推進室(伊都地区センター1号館1階)
(電話:092-802-5859 E-mail:inclusion@chc.kyushu-u.ac.jp)
修学上の合理的配慮の流れに関する部局HP https://www.artsci.kyushu-u.ac.jp/campus_life/support.html 


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